- 総合型選抜(AO・推薦)で英語面接があるが、何を英語で聞かれるのか分からない
- 志望理由や将来のことまで英語で答えられるか不安
- 塾の模擬面接に頼らず、一人でも面接練習を進めたい
総合型選抜の英語面接で問われるのは、英会話の流暢さそのものではありません。志望理由や大学で学びたいこと、将来像までを英語で筋道立てて説明できるかが、評価の分かれ目です。対策の方向を間違えると、英語スコアを持っていても本番で空回りしてしまいます。ただ、聞かれる範囲はほぼ決まっています。「結論→理由→具体例」の型に自分のエピソードを当てはめ、声に出して練習するだけで、塾の模擬面接に頼らず独学でも十分に対策できます。
総合型選抜の英語面接は、型に当てはめた英語回答と声出し練習で独学対策できる

この記事では、総合型選抜で英語が活きる入試の全体像と評価観点を整理したうえで、頻出質問への英語回答例を型つきで示します。最後に、塾に頼らず一人で面接練習を回す具体的な手順まで解説します。英語面接そのものの全体像は英語面接の全体像はこちらもあわせてどうぞ。
総合型選抜で英語力が活きる入試の全体像

まず、自分の受ける入試で英語がどう使われるのかを確認しましょう。総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜では、英語力を「出願資格」「加点・換算」「面接・プレゼン」のいずれか、あるいは複数の形で評価します。
とくに国際系・グローバル系の学部では、英語外部検定のスコア提出に加えて、英語での面接や口頭試問、英語プレゼンテーションを課す大学が増えています。書類(志望理由書)・小論文・面接を組み合わせて、多面的に評価するのが一般的な形です。
英語外部検定(英検・TOEFL・IELTSなど)のスコア基準
出願で使える英語検定は、英検・TOEFL iBT・IELTS・TEAP・GTEC・ケンブリッジ英語検定などが代表的です。大学によって、出願資格として最低スコアを設ける場合と、点数を持っていれば加点・得点換算される場合があります。
目安として、国際系学部では英検準1級前後、TOEFL iBT 60〜90、IELTS 5.5前後を出願ラインにする大学が多く見られます。ただし基準は大学・学部・年度で大きく異なり、技能別の最低点や、有効期限・スコアの種類(TOEFLのMyBestスコア可否など)の条件もあります。
英語講師 | TOEIC 980 / TOEFL iBT 106 / IELTS 7.5(CEFR C1)/ 海外大学院合格
Sakiスコア基準は必ず、志望校の最新の募集要項で自分の目で確認してください。ネット記事や過去の情報は年度で古くなります。同じ大学でも入試方式ごとに基準が違うことも珍しくありません。まずは「出願できる級・スコアがあるか」を早めに固めると、面接対策に時間を回せます。
英語面接・英語プレゼンを課す大学の傾向
英語面接を課すのは、授業の多くを英語で行う国際教養系・外国語系・グローバル系の学部が中心です。面接の言語は「日本語のみ」「英語のみ」「日本語と英語の両方」など大学によって分かれ、志望理由書の内容について英語で質問される口頭試問の形もよくあります。
英語プレゼンテーションを課す大学では、自分でスクリプトやスライドを用意し、そのあとに英語で質疑応答が続く形式が多いです。どの形式でも、聞かれるのは「あなたがなぜここで、何を学びたいのか」という一貫したストーリーです。
英語面接で見られる評価観点は丸暗記より自分の言葉と論理

英語面接だからといって、発音や流暢さだけで合否が決まるわけではありません。面接官が見ているのは、質問に正対して答えているか、理由が添えられているか、話が途中で迷走していないか、という応答の質です。
言いかえると、評価されるのは「英会話力」よりも「英語で考えを論理的に伝える力」と「志望理由書と矛盾しない一貫性」です。生成AIで完璧な原稿が作れる時代だからこそ、当日その場で出てくる自分の言葉が重視される傾向にあります。
悪い例
丸暗記した完璧な原稿を暗唱:一見流暢でも、想定外の質問や『Why?』の深掘りで崩れやすく、自分の言葉が伝わりにくい
良い例
型(結論→理由→具体例)で要点だけ覚える:多少つまっても論理は通り、追加質問にも同じ型で落ち着いて対応できる
英語講師 | TOEIC 980 / TOEFL iBT 106 / IELTS 7.5(CEFR C1)/ 海外大学院合格
Saki面接官に刺さる志望理由は、自分を客観的に見て、具体的なエピソードで語れるかで決まります。これは大学入試に限らず、海外MBAの出願でも同じでした。私が一番苦労したのも「自分のどの経験が、相手の求める人物像に刺さるか」を見極めることです。「英語が好きだから」ではなく、いつ・何をして・何を感じたかまで掘り下げると、同じ志望理由でも説得力が大きく変わります。
頻出質問と英語回答例は結論→理由→具体例の型で作る
ここからが本題です。総合型選抜の英語面接で聞かれる質問は、大きく「志望理由・学びたいこと」「将来像・入学後の計画」「自己紹介・自分の強み」に分けられます。どれも同じ型で組み立てられます。
使う型は1つで十分です。結論(言いたいこと)→ 理由(because)→ 具体例(For example)→ 締めの順に並べます。この順番なら、結論が先に伝わり、話が自然に広がります。

I want to study [学びたい分野] at your university.
This is because [理由:なぜ興味を持ったか].
For example, [具体例:高校での経験・探究・活動].
That is why I chose your university.
原稿を丸ごと暗記する必要はありません。空欄に入れる「自分のキーワード」だけ決めておき、あとは型に沿って話す練習をします。
志望理由・この大学で学びたいこと
もっとも聞かれるのが志望理由です。「なぜこの大学か」「何を学びたいか」を、自分の経験とつなげて答えます。
Why do you want to study at our university?回答例を見る回答例を閉じる
I want to study international relations at your university. This is because I am especially interested in how small countries influence global politics. For example, in high school I researched Singapore's diplomacy for a class project, and I wanted to explore this topic more deeply. Your university's small, discussion-based classes would let me study it with students from many countries. That is why I chose your university.
(貴学で国際関係を学びたいです。小さな国が世界の政治にどう影響するかに、とくに興味があるからです。例えば高校で、授業の課題としてシンガポールの外交について調べ、もっと深く学びたいと思うようになりました。少人数で議論する貴学の授業なら、多様な国の学生とこのテーマを学べます。だから貴学を志望しました。)
「有名だから」「英語が学べるから」だけでは、どの大学にも当てはまってしまいます。自分の関心と、それを裏づける具体的な経験を1つ足すのがコツです。
NG回答
Because your university is famous and has a good English program.
高スコア回答
I want to study international relations here because I am interested in the diplomacy of small countries. For example, I researched Singapore's foreign policy for a school project, and I wanted to explore it more deeply.
自己紹介や志望理由の作り込みは英語面接の自己紹介の作り方でも詳しく扱っています。
将来像・入学後の計画
「卒業後に何をしたいか」「入学後にどう学ぶか」もよく聞かれます。将来像は、この大学での学びとつなげると一貫性が出ます。
What do you want to do after you graduate?回答例を見る回答例を閉じる
After I graduate, I hope to work for an international organization that supports education in developing countries. This is because I believe education is the key to solving many social problems. For example, I have volunteered at a local program that teaches Japanese to foreign children, and I found it very rewarding. To reach this goal, I want to build a strong foundation in both language and social science at your university.
(卒業後は、途上国の教育を支援する国際機関で働きたいです。教育は多くの社会問題を解決する鍵だと考えるからです。例えば、外国にルーツを持つ子どもに日本語を教える地域の活動に参加し、大きなやりがいを感じました。この目標のために、貴学で語学と社会科学の両方の土台を築きたいです。)
将来像は、壮大でなくて構いません。大切なのは「なぜそう思うのか(理由)」と「そのために大学で何を学ぶか」がつながっていることです。
自己紹介・自分の強み
面接の最初に自己紹介を求められることも多いです。30〜45秒くらいで、名前・所属・関心・高校での経験を簡潔にまとめます。
Please introduce yourself.回答例を見る回答例を閉じる
My name is Aoi, and I am a third-year student at Sakura High School. I am especially interested in languages and international issues. In high school, I have been a member of the English debate club, and I also studied with students in the Philippines through online lessons. Through these experiences, I became more confident about communicating in English. Thank you.
(葵と申します。さくら高校の3年生です。言語と国際問題にとくに関心があります。高校では英語ディベート部に所属し、オンラインレッスンでフィリピンの学生とも学びました。こうした経験を通じて、英語で伝えることに自信がつきました。ありがとうございます。)
強みを聞かれたら、「名詞」で終わらせず、それを裏づける具体的な行動を1つ添えます。
NG回答
My strength is English. I like studying English.
高スコア回答
My strength is that I keep working on things until I improve. For example, I recorded my own English speaking almost every day for six months, and my fluency got much better. I want to use this persistence at university.
面接までの準備は過去問確認・大学研究・面接マナー

回答の型ができたら、当日までに次の3つを進めます。準備の質が、そのまま落ち着きにつながります。
第一に、過去問と募集要項の確認です。志望校が過去問や参考資料を公開している場合は必ず目を通し、面接の言語・形式・時間を把握します。あわせて、自分が提出する志望理由書のコピーを手元に残し、書いた内容と面接の答えが矛盾しないようにします。
第二に、大学研究です。アドミッションポリシー、学部の特色、カリキュラムを調べ、「なぜこの大学・この学部か」を自分の言葉で言えるようにします。志望する分野の英単語(専攻名・キーワード)も、口に出せるようにしておきます。
第三に、面接マナーです。入退室のあいさつ、姿勢、アイコンタクト、聞き取れる声の大きさは、日本語面接と同じく評価に関わります。目が泳ぐ・下を向くと自信がなさそうに見えるので、相手の顔を見て話す練習をしておきましょう。
英語講師 | TOEIC 980 / TOEFL iBT 106 / IELTS 7.5(CEFR C1)/ 海外大学院合格
Saki質問が聞き取れないときは、わかったふりをせず落ち着いて聞き返して大丈夫です。Could you say that again, please? や I'm sorry, could you repeat the question? を口に慣らしておきましょう。詰まったときも、長い沈黙より Well, let me think... Let me put it another way. と一言はさむ方が好印象です。
私自身、試験のスピーキングでは「仕切り直しフレーズ」を2つ用意しておくと、詰まっても立て直せて楽でした。聞き返しやつなぎの言い回しは英語面接で使えるフレーズ集や英語が話せない・詰まったときの対処も参考になります。
塾に頼らず一人で回す練習手順は型に当てはめて話す→録音→改善
多くの対策記事は「先生と模擬面接を」で終わります。ですが、相手がいなくても発話量は一人で積めます。ここが独学者の勝ち筋です。次のループを毎日回します。

- 想定質問リストを作る(志望理由・学びたいこと・将来像・自己紹介・強み弱み・高校でがんばったこと・最近気になるニュース・逆質問など10〜15問)
- 型に当てはめて声に出す(原稿を全部書かず、キーワードだけメモして「結論→理由→具体例」で話す)
- スマホで録音して聞き返す(観点を絞る:①結論を先に言えているか ②スピードが速すぎないか ③声のトーンが一本調子でないか ④文の途中で止まっていないか)
- 気づいた癖・言えなかった表現をメモして、次の回で必ず使う(同じ内容を別の言い方にする「言い換え」を3〜4個持っておくと滑らかになる)
まずは瞬間英作文で、面接の頻出フレーズを「考えなくても口から出る」状態にしておきましょう。
日本語を見たら、12秒以内に声に出して英語で言い切ってください。全5問・答え合わせつきです。
声を出せる場所で、できれば立ち止まらずテンポよく。
- 志望理由 私は貴学で国際関係を学びたいです。 — I want to study international relations at your university. 結論から言い切る
- 理由 なぜなら、小さな国の外交に興味があるからです。 — This is because I am interested in the diplomacy of small countries. This is because で理由をつなぐ
- 具体例 例えば、高校でシンガポールの外交について調べました。 — For example, I researched Singapore's diplomacy in high school. For example で経験を1つ出す
- 将来像 卒業後は国際機関で働きたいです。 — After I graduate, I want to work for an international organization. After I graduate で将来を語る
- 聞き返し もう一度おっしゃっていただけますか。 — Could you say that again, please? 詰まらず落ち着いて聞き返す

英語講師 | TOEIC 980 / TOEFL iBT 106 / IELTS 7.5(CEFR C1)/ 海外大学院合格
Saki自分の声を録音して聞き返すのは、正直はずかしいです。それでも効果は大きい。聞いてみないと自分の癖は分からないからです。私が試験のスピーキング対策で録音を続けて気づいたのは、「思ったより早口」「声のトーンが一定すぎる」の2点でした。観点は、発音の細かさより結論を先に言えているか・スピード・抑揚にしぼると改善が速いです。今はAIが文字起こしと間違いの指摘までしてくれるので、当時よりずっと楽に回せます。
一人の練習に慣れてきたら、高校の先生や友人に見てもらう機会も併用すると、本番の緊張感に近づけられます。一人で回す練習の進め方は、次の記事もあわせてどうぞ。
留学の面接や高校留学の面接を検討している人は、高校留学の面接対策も参考になります。
よくある質問(FAQ)
総合型選抜の英語面接は、帰国子女でないと不利ですか?回答例を見る回答例を閉じる
発音の完璧さよりも、質問に正対して理由を添えられるか、志望理由書と一貫しているかが見られます。ネイティブのような発音でなくても、「結論→理由→具体例」の型で自分の経験を語れれば十分に戦えます。むしろ準備した内容の濃さで差がつきます。
英語が完璧でないと落ちますか?回答例を見る回答例を閉じる
多少の文法ミスより、話が途中で止まってしまう長い沈黙や、質問と噛み合わない答えの方がマイナスです。詰まったら Well, let me think... とゆっくりつなぎ、その間に次の言葉を考えましょう。完璧を目指すより、流れを止めないことを優先してください。
塾に通わないと面接対策はできませんか?回答例を見る回答例を閉じる
一人でも「想定質問リスト → 型に当てはめて声に出す → 録音して聞き返す → 改善する」のループで練習できます。人に見てもらえる環境があれば併用が理想ですが、独学でも発話量は積み上がります。大切なのは、毎日少しずつでも声に出し続けることです。




