- 英語リスニングの上達方法が分からない
- 毎日聞いているのに伸びない原因を知りたい
- 英語リスニング上達に使えるアプリやシャドーイングの活用法を知りたい
この記事では、英語リスニングが伸びにくい原因を3タイプに分けて整理し、アプリ・教材・シャドーイングをどう組み合わせると効率よく上達できるかを解説します。
実は、リスニングは聞く量を増やすだけでは伸びにくい学習領域です。まず「なぜ聞き取れないのか」の原因を切り分けることが、上達への近道になります。
この記事を読めば、自分がどこでつまずいているかが見えるようになり、原因に合った学習法を選んで効率的にリスニング力を伸ばせるようになります。
TOEIC 980 / TOEFL iBT 106 / IELTS 7.5(CEFR C1)/ 海外MBA取得
リスニングは最初かなり苦労しましたが、単純にたくさん聞くだけでは伸びないと感じました。
音の聞き取り、処理スピード、語彙などいろいろな要素が重なっていて、それぞれに合った練習をすると効果が出やすいと気づきました。
リスニングが伸びない原因を3つに分ける

英語リスニングが上達しない原因は、大きく3つに分類できます。自分がどのタイプに当てはまるかを把握することが、対策の第一歩です。
| タイプ | 症状 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 音が取れない | 単語は知っているのに聞き取れない | リエゾン・リダクションなど音声変化への慣れ不足 |
| 処理が遅い | ゆっくりなら分かるが速いと追いつけない | 英語を日本語に訳しながら聞く「返り聞き」 |
| 語彙・内容理解が弱い | 音は聞こえるが意味が分からない | 語彙力不足・背景知識の欠如 |
多くの学習者は「リスニングが苦手」とひとくくりにしがちですが、実際にはこの3つのうちどれがボトルネックかで対策はまったく異なります。たとえば、音が取れない人がいくら単語を覚えても聞き取れるようにはなりませんし、語彙が足りない人がシャドーイングだけ続けても理解度は上がりにくいです。
リスニングが苦手でも、3つすべてが弱いとは限りません。どこが原因かを1つに絞るだけで、やるべき練習はかなり変わります。
まずは英語音声を聞いて「音自体が聞き取れないのか」「聞こえるが意味処理が追いつかないのか」「そもそも単語を知らないのか」を意識してみてください。単語の基礎力に不安がある場合は、語彙力の伸ばし方をまとめた記事も参考になります。
原因1, 音が取れない人の対策
音が取れない人に最も効果的なのは、シャドーイングと発音練習の組み合わせです。耳だけでなく口を使って音を再現することで、聞き取れる音の範囲が広がります。
英語には日本語にない音声変化が多くあります。
- リエゾン(連結): check it out → 「チェキラウト」のように音がつながる
- リダクション(脱落): good morning → 「グッモーニン」のようにdが消える
- フラッピング(弱化): water → 「ワラー」のようにtがラ行に変わる
これらの音声変化を知識として理解するだけでなく、自分の口で再現できるレベルまで練習すると、聞き取り精度が大きく向上します。
悪い例
音声を聞いて「聞こえなかった」で終わり、次の音声に進む
良い例
スクリプトを確認し、聞き取れなかった箇所の音声変化を特定してから、同じ箇所を5回シャドーイングする
聞こえない原因が語彙不足ではなく、音そのものに慣れていないケースはかなり多いです。「知っている単語なのに聞き取れない」という経験があるなら、まず音声変化の練習から始めてみてください。
シャドーイングの具体的なやり方やコツはシャドーイングのコツをまとめた記事で詳しく解説しています。発音の基礎から見直したい場合は英語の発音練習に関する記事も役立ちます。
原因2, 処理が遅い人の対策
音は聞こえるが意味処理が追いつかない場合、短い素材の反復練習で処理速度を上げるのが効果的です。いきなり長い音声を原速で追う必要はありません。
処理が遅くなる最大の原因は、英語を頭の中で日本語に訳しながら聞く「返り聞き」です。英語の語順のまま理解する回路を作るために、以下のステップで練習すると効果が出やすいです。
- 素材を選ぶ: 理解度70〜80%程度の短い音声(30秒〜1分)を用意する
- 速度を落として聞く: 0.8倍速からスタートし、内容を英語の語順で理解する
- 段階的に速度を上げる: 0.8倍速 → 1.0倍速 → 1.2倍速と徐々に引き上げる
- 音読・シャドーイングで定着: 同じ素材を口に出して繰り返す
1つの素材を最低5〜10回は繰り返しましょう。「もう飽きた」と感じるくらい反復した素材は、同じ速度の別の音声でも聞き取りやすくなります。
悪い例
毎日違うPodcastを1時間聞き流す
良い例
同じ1分の素材を速度を変えながら1週間で30回繰り返す
シャドーイングを使った処理速度トレーニングの全体像はシャドーイングの効果とやり方の記事で解説しています。音読を組み合わせた練習法は音読トレーニングの記事も参考になります。
原因3, 語彙や内容理解が弱い人の対策
音は聞こえていても、単語や表現を知らなければ理解は進みません。語彙・内容理解が原因の場合は、スクリプトを使った精読とテーマ別の語彙補強が必要です。
TOEICリスニングセクションで400点以上を目指すには、最低でも語彙力5,000〜6,000語が必要とされています。まずは自分の語彙レベルを把握し、足りない部分を計画的に補いましょう。
具体的な対策手順は以下の通りです。
- リスニング音声を聞いて、聞き取れなかった箇所を記録する
- スクリプトを読み、知らない単語・表現をリストアップする
- 単語の意味と発音をセットで覚える(意味だけでなく音も覚えることが重要)
- 同じ音声をもう一度聞き、理解度の変化を確認する
悪い例
単語帳で意味だけ暗記し、音声は聞かない
良い例
単語を覚える際に必ず音声を再生し、「意味+音」のセットで記憶する
語彙が原因のリスニング不足は、実は一番対策しやすいタイプです。スクリプト付きの素材を使って「聞く → 読む → 知らない単語を覚える → また聞く」のサイクルを回せば、着実に伸びます。
語彙力の効率的な伸ばし方は英語の単語学習に関する記事で詳しく解説しています。音読を組み合わせた理解力向上法は音読トレーニングの記事もおすすめです。
アプリ・教材・シャドーイングをどう組み合わせるか

英語リスニングを上達させるには、アプリ・教材・シャドーイングそれぞれの役割を理解し、目的に応じて使い分けることが大切です。
| 学習手段 | 主な役割 | 強み | 弱み |
|---|---|---|---|
| アプリ | 継続しやすさ・手軽さ | スキマ時間に使える、進捗管理が簡単 | 深い理解には不向き |
| 教材(テキスト・問題集) | 理解の深さ・体系的学習 | スクリプトで精読できる、段階的に学べる | 一人では続けにくい |
| シャドーイング | 音声処理・発音力 | 音の認識力と処理速度を同時に鍛えられる | 正しいやり方を知らないと効果が薄い |
1つの方法だけに頼るのではなく、3つを組み合わせることで弱点を補い合えます。たとえば、アプリで毎日の学習習慣を維持しつつ、教材で精読・精聴の質を担保し、シャドーイングで音の処理能力を底上げするイメージです。
代表的なリスニング学習アプリとしては、シャドーイング特化のシャドテン、総合的な英語学習ができるスタディサプリENGLISH、発音矯正AIを搭載したELSA Speak、動画を使ったディクテーション練習ができるRedKiwiなどがあります。無料で使えるものなら、BBC Learning EnglishやNHK語学アプリも選択肢に入ります。
アプリは「毎日触れる習慣」を作るのに最適です。ただし、アプリだけでリスニングが劇的に伸びるわけではありません。教材やシャドーイングと組み合わせて、「広く浅くの継続」と「狭く深くの集中練習」のバランスを取りましょう。
おすすめのシャドーイングアプリについてはシャドーイングアプリの記事で比較しています。シャドーイングとリスニングの関係についてはシャドーイングとリスニングの記事もあわせてご覧ください。
タイプ別おすすめ学習プラン

自分のレベルに合った学習プランを立てることが、効率的な英語リスニング上達につながります。以下に、レベル別の具体的なプランを紹介します。
初心者(TOEIC 400点以下相当)
1日30分〜1時間が目安です。
| 時間 | 内容 | 使う素材 |
|---|---|---|
| 15分 | 音読 | NHK基礎英語、VOA Learning English(約100語/分) |
| 15分 | やさしい素材のリスニング | 理解度80%以上の短い音声 |
| 15分 | 単語学習(音声付き) | 基本語彙1,000〜3,000語レベル |
中級者(TOEIC 400〜700点相当)
1日45分〜1.5時間が目安です。
| 時間 | 内容 | 使う素材 |
|---|---|---|
| 20分 | シャドーイング | TED Talks(字幕付き)、Podcast |
| 15分 | 精聴(1文ずつ止めて聞く) | TOEIC公式問題集、ニュース教材 |
| 15分 | 単語・表現の復習 | リスニングで出てきた未知語 |
試験対策(TOEIC 700点以上・TOEFL・IELTS)
1日1時間以上が目安です。
| 時間 | 内容 | 使う素材 |
|---|---|---|
| 30分 | シャドーイング(コンテンツ・シャドーイング) | CNN、BBC、TOEFL/IELTS公式教材 |
| 15分 | ディクテーション | 試験形式の音声素材 |
| 15分 | 多聴(内容理解重視) | ナチュラルスピードの素材(150〜180語/分) |
教材の選び方で迷ったら、理解度70〜80%程度の素材 を選ぶのがベストです。簡単すぎると学びが少なく、難しすぎると挫折しやすいため、「だいたい分かるけど、ところどころ聞き取れない」レベルが最も効率よく伸びます。
英語の上達法を全体的に見直したい場合は英語のスピーキング上達法の記事も参考になります。シャドーイングがリスニングに与える効果についてはシャドーイングとリスニングの関係の記事で詳しく解説しています。
やってはいけない失敗6つ

リスニング学習で多くの人が陥りがちな失敗パターンを6つ紹介します。心当たりがあれば、学習法を見直すきっかけにしてみてください。
-
聞き流しだけで終わる: BGMのように英語を流しても、集中して聞かなければリスニング力は伸びません。「ながら聞き」は多聴の一部としてはOKですが、それだけに頼るのは非効率です
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難しすぎる素材を選ぶ: 理解度が50%以下の素材は、ストレスが大きいわりに学習効果が低いです。背伸びしすぎず、70〜80%理解できる素材から始めましょう
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シャドーイングだけに偏る: シャドーイングは強力な練習法ですが万能ではありません。語彙不足が原因なら、単語学習を先に行う方が効果的です
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スクリプトを確認しない: 聞き取れなかった箇所をスクリプトで確認しないと、同じ部分でずっとつまずき続けます。「聞く → スクリプト確認 → 再度聞く」のサイクルが重要です
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復習をしない: 新しい素材に次々手を出すより、同じ素材を繰り返した方がリスニング力は定着しやすいです。1つの素材を最低5回は繰り返しましょう
-
原因を分けずに対策する: 「とにかくたくさん聞く」だけでは、自分のボトルネックに合っていない練習に時間を使ってしまいます
「毎日2時間聞いているのに伸びない」という場合、量の問題ではなく方法のミスマッチが原因であることがほとんどです。まず自分の弱点タイプを特定してから、それに合った練習法を選びましょう。
失敗パターンに1つでも心当たりがあっても、落ち込む必要はありません。原因が分かれば対策は立てられます。この記事で紹介した3タイプの分類に戻って、自分に合う方法を試してみてください。
学習の伸び悩みを感じている場合は英語学習の停滞期を乗り越える方法の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
英語リスニング上達の近道は、やみくもに量を増やすことではなく、自分の弱点を見極めて原因に合った学習法を組み合わせることです。
この記事のポイントをまとめます。
- リスニングが伸びない原因は「音が取れない」「処理が遅い」「語彙が足りない」の3タイプに分けられる
- 音が取れない人にはシャドーイングと発音練習が効果的
- 処理が遅い人には短い素材の反復と速度調整が有効
- 語彙不足の人にはスクリプト付き素材と単語学習の併用が必要
- アプリ・教材・シャドーイングは役割を分けて組み合わせると相乗効果が出る
- 教材は理解度70〜80%のものを選ぶのが最適
最初の一歩として、自分が「音」「処理速度」「語彙」のどこで止まっているかを1つ特定し、その原因に合った練習を1日15分、まずは2週間続けてみてください。小さな変化を積み重ねることが、リスニング力の着実な向上につながります。
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