- TOEFLライティングが20点・25点で止まり、次に何を直せばいいか分からない
- そもそも20点・25点が、2026年新形式のバンドでどのくらいの位置なのか知りたい
- 採点基準は読んだのに、自分のスコアを上げる行動に落とし込めていない
この記事は、TOEFLライティングのスコアを「帯(バンド)」で捉え直し、20点・25点・それ以上のそれぞれで次に直すべき1点を採点基準から逆算して解説します。採点基準そのものの詳細には立ち入らず、ここは「伸ばす順番」に集中します。
- 「20点・25点」は旧0〜30スケールの数字です。移行期は新しい1〜6バンドと併記され、20点≒band4の上端/25点≒band5(band6は29〜30)にあたります
- 採点は各タスク0〜5ルーブリックの積み上げ。ざっくり平均3で約20点・平均4で約25点・平均5で約30点。20→25の壁は「ルーブリック3→4」を越えることです
- だから直す順番は決まっています。〜20点は要件達成→基本ミス→分量、20→25点は展開→語彙文法の幅→誤りの密度。旧形式の「350語書け」は新形式では当てはまりません
「20点・25点」は今のスコアでどこ?新バンドへ橋渡し

最初に、スコアの「物差し」をそろえます。多くの人が言う「20点・25点」は、旧来の0〜30スケールでのWritingセクションの数字です。2026年の新形式では、セクションは主に1〜6のバンドで表され、移行期(おおむね2028年ごろまで)は0〜30や0〜120も併記されます。
つまり「20点」「25点」という言い方は今も通じますが、本当の伸びしろはバンドで見ると分かりやすくなります。ETSが公開している移行期の対応表をスコアに翻訳すると、次のような位置関係です。
| バンド | Writing(旧0〜30)の目安 | CEFR |
|---|---|---|
| band 6 | 29〜30 | C1〜 |
| band 5 | 24〜26 | C1 |
| band 4 | 17〜20 | B2 |
出典: ETS「TOEFL iBT Score Scale Update」移行期対応表(toefl-ibt.jp / ets.org)
ここから分かることは明確です。20点はband4の上端、25点はband5にあたります。そして21〜23点は、band4とband5の間に挟まれた谷間です。これが「25点の壁」が実在する理由で、20点の少し上は、バンドが1段上がる境目だからなかなか抜けられません。
日本人受験者のWriting平均は、目安として18点前後とされます。これはband4の下のほうです。多くの人がまず目指すのは「band4をしっかり固めて20点に乗せる」、次に「band5=25点へバンドを上げる」という二段構えになります。
各バンドが具体的にどんな英語力を示すのか、0〜120や他セクションとの関係も含めた全体像は、スコアスケールの記事で確認できます。
採点の仕組み=各0〜5の平均から換算される
伸ばす順番を逆算するために、採点の仕組みを最小限だけ押さえます。新形式のWritingは、Build a Sentence・Write an Email・Write for an Academic Discussionの3タスクです。このうちEmailとAcademic Discussionは、それぞれ0〜5の公式ルーブリックで採点されます。
各タスクの出来が積み上がり、セクションスコアへ換算されます。換算の目安はシンプルです。
| ルーブリックの出来(0〜5) | Writing(旧0〜30)の目安 | おおよその状態 |
|---|---|---|
| 3 にそろう | 約20点 | 要件は満たすが、展開と正確さが中程度 |
| 4 にそろう | 約25点 | 十分に展開され、誤りが少ない |
| 5 にそろう | 約30点 | 明確でほぼ誤りがない |
出典: ETS『TOEFL iBT Technical Manual』(2025) ルーブリック0〜5
このEmailとAcademic Discussionの0〜5は、ETS独自のAI採点エンジンと認定された人間レーターの両方で付けられます。ETS Technical Manualによれば、自動採点はリアルタイムで監視され、エンジンが自信を持てない答案には人間レーターが入って採点します。
フィールドテストでのAI採点と人間採点の一致度(相関)はWritingでおよそ0.86で、これは人間同士の一致度とほぼ同じ水準です。つまり派手な語を足すより、採点エンジンと人間が同じように見ている評価軸(目的達成・展開・正確さ)を安定して満たすほうが伸びます。なお並べ替えのBuild a Sentenceは正誤のキー採点で、AI・人間の採点は入りません。
この表が逆算の出発点です。20点で止まっている人は、ルーブリックでいう「3」の答案を書いています。25点へ行くには、それを「4」に引き上げればよい。何をすれば3が4になるのかは、ルーブリックが具体的に書いています。
ルーブリックの全文と、Email・Academic Discussionそれぞれの評価ディメンションは、採点基準の記事で詳しく整理しています。本記事はこの「3→4」を行動に変えることに絞ります。
採点の仕組みは「覚える」ものではなく「逆算に使う」ものです。今が何点で、ルーブリックのどの段にいて、次の段に行くには何が足りないか。この3つが言えれば、練習の質は大きく変わります。
【〜20点】平均18→20へ 直す順番

平均18点あたりから20点に乗せる段階では、難しい表現を足す必要はありません。むしろ逆効果になりがちです。ここで効くのは、減点を消して土台を固めること。直す順番は次の3つです。
まず設問の要件を全部満たす
EmailでもAcademic Discussionでも、採点の中心は「指示された目的を達成しているか」です。20点前後で止まる答案の典型は、内容は悪くないのに指示の1つを書き忘れているパターンです。
対策は書く前の30秒で決まります。設問の指示(例:好きな点を伝える/問題を説明する/状況を尋ねる)を箇条書きで全部拾い、答案を書き終えたら1つずつ消し込みます。これだけで「目的達成」の取りこぼしが減ります。
意味を壊す基本ミスを消す
次に、意味の伝達を妨げるミスを優先的に消します。細かなスペルより、読み手が一瞬で迷うミスのほうが減点に響くからです。特に日本人学習者がつまずきやすいのは次の3つです。
- 時制: 過去の話と現在の話が文の途中で入れ替わっていないか
- 主述の一致: 主語と動詞(三単現のsなど)がかみ合っているか
- 冠詞・単複: a / the / 複数形の使い分けで意味が変わっていないか
これらは語彙力の問題ではなく、見直しの問題です。書き終えてから「主語と動詞」「時制」だけを観点を絞って1回読み返すと、20点台前半の答案でも誤りがはっきり減ります。
分量の最低ラインを担保する
最後が分量です。展開が乏しく短すぎる答案は、ルーブリックで「3」より上に行けません。Academic Discussionなら、立場・理由・具体例を一通り書くと自然に100語前後になります。
ここで大事なのは、語数を埋めること自体が目的ではない点です。要件を満たし、基本ミスを消したうえで「言いたいことを最後まで書ききる」と、結果として必要な分量になります。次の段階は、その中身を一段深くすることです。
【20→25点】壁の正体は「ルーブリック3→4」何を足す
「25点の壁」の正体は、ルーブリックの3を4にすることです。3と4の差は、語彙の難しさではありません。展開の深さ・表現の幅・誤りの密度という3点に集約されます。
公式ルーブリックは、この3と4の違いを次の言葉で定義しています。
| 観点 | ルーブリック3(≒20点) | ルーブリック4(≒25点) |
|---|---|---|
| 展開 | 説明・例・詳細の一部が欠落・不明瞭・無関係 | 関連性があり適切に展開されている |
| 構文・語彙 | ある程度の多様性と語彙の幅 | 構文に多様性があり語選びも適切 |
| 誤り | 目立つ誤りがいくつかある | 誤りが少ない |
出典: ETS「Writing for an Academic Discussion Rubrics」/『TOEFL iBT 公式総合対策』
3で止まる答案は、たいてい「展開の一部が欠けている」か「目立つ誤りが残っている」かのどちらかです。だから25点への一手は、この2つを潰すことに集約されます。
悪い例
20点で止まる答案:難しい単語と長い文を詰め込もうとして、要件の取りこぼしや文法ミスが増える
良い例
それを超える答案:要件を満たし基本ミスを消したうえで、理由と具体例で一段深く展開する
内容の展開を一段深く=主張→理由→具体例
3で止まる答案は「主張→理由」で終わりがちです。4に上げる答案は、そこに具体例や一段の掘り下げを足します。理由を言いっぱなしにせず、「なぜそう言えるのか」を1つだけ深掘りするイメージです。
悪い例
ルーブリック3の書き方:主張→理由で止まり、理由が抽象的なまま次の文へ進む
良い例
ルーブリック4の書き方:主張→理由→具体例まで展開し、その理由が成り立つ場面を1つ示す
論点を増やす必要はありません。1つの理由を最後まで展開するほうが、議論にかみ合った深い答案になります。展開の作り方は、Academic Discussionの記事で例題つきに整理しています。
文と語彙の幅を出す
4の答案は、同じ構文・同じ単語の繰り返しを避けます。ここで効くのが「言い換えの引き出し」です。同じ意味を2〜3通りで言えるようにしておくと、単調さが消えて語彙・表現の幅が評価されます。
ねらうのは難単語ではなく、的確で自然な語彙です。good を effective や helpful に置き換えるように、場面に合う言葉を選べるだけで印象は変わります。
誤りの密度を下げる
最後が誤りの密度です。4は「誤りが少ない」、5は「ほぼ誤りなし」と定義されています。展開と幅を足すと、つい文が複雑になり、ミスが増えます。ここで〜20点の段階で身につけた見直し(時制・主述・冠詞)がそのまま効いてきます。
展開を足す→見直しで誤りを削る、という順番を崩さないことが、25点を安定させるコツです。
25点以上を狙うなら:4→5の差
25点を超えてband6(29〜30)に近づく段階は、方向だけ示します。4と5の差は、ほぼ誤りがないこと・構文の多様さ・的確で自然な語彙・主張の一貫した明確さです。
ここはもう「足し算」ではなく「精度」の世界です。新しいテクニックを増やすより、4の答案を毎回安定して出し、そこからケアレスミスをさらに削る作業になります。多くの人にとっての本丸は、まず25点を安定させることです。
旧形式の「350語書け」は2026では誤り
スコアを上げようと検索すると、「300〜350語は書こう」というアドバイスがまだ多く出てきます。これは旧形式のIndependent Writing(独立型エッセイ)の話で、2026年の新形式には当てはまりません。
新形式にIndependent Writingはありません。Academic Discussionは解答時間が約10分で、効果的な回答は通常100語以上が目安です。Emailは語数よりも、依頼・理由・具体といった要件を丁寧に満たすことを優先します。
| 観点 | 旧形式 Independent | 新形式 Academic Discussion |
|---|---|---|
| 解答時間 | 約30分 | 約10分 |
| 分量の目安 | 300語前後 | 100語前後 |
| 重視されるもの | 長さ・論の厚み | 展開の質・正確さ |
つまり、新形式では長く書くより、短くても展開と正確さで勝負するのが正解です。100語前後でも、立場が明確で理由・具体例がかみ合い、誤りが少なければ高く評価されます。語数を稼ぐために薄い文を足すと、むしろ誤りが増えて逆効果になります。
形式そのものが旧情報のままだと、対策の方向ごとずれます。3タスクの全体像は新形式の解説で確認しておくと安全です。
スコア帯別・今日からの練習メニュー
直す順番が分かったら、練習の形は1つです。書く→ルーブリックの観点で自己添削→直す、このループを回します。1回の答案で全部を直そうとせず、自分の帯の「次の1点」だけを見ます。
| 今の帯 | 次の1点 | 自己添削で見る観点 |
|---|---|---|
| 〜20点 | 減点を消す | 要件の網羅・時制・主述・冠詞・分量 |
| 20→25点 | 中身を足す | 主張→理由→具体例の展開・語彙の幅 |
| 25点〜 | 精度を上げる | 誤りの密度・構文の多様さ・一貫性 |
この自己添削で詰まりやすいのが、「自分の答案のどこがルーブリック3で止まっているか」を自分で判断する部分です。ここはAIに答案を渡し、観点を指定して添削させると、即座にフィードバックが返ります。人の添削のように結果を待つ必要がありません。
TOEIC 980 / TOEFL iBT 106 / IELTS 7.5(CEFR C1)/ 海外MBA合格
型から入りたい人は、立場→理由→具体例の骨組みを穴埋めで覚える方法もあります(ライティング・テンプレートの記事で解説しています)。ただしテンプレートは土台であって、最後は自分の理由でどれだけ展開できるかが3→4を分けます。
よくある質問
TOEFLライティングの平均点はどのくらいですか?回答例を見る回答例を閉じる
移行期のため数字は併記されますが、日本人受験者のWritingは旧0〜30スケールで18点前後が目安とされます。これはband4の下のほうにあたります。まずはband4を固めて20点に乗せ、次にband5=25点を目指すのが現実的なルートです。
20点と25点はバンドでいうとどのくらいですか?回答例を見る回答例を閉じる
移行期の対応表では、band4がWriting17〜20点(CEFR B2)、band5が24〜26点(C1)、band6が29〜30点です。したがって20点はband4の上端、25点はband5にあたります。21〜23点は両者の谷間で、ここが「25点の壁」と呼ばれる区間です。
何語くらい書けばスコアが上がりますか?回答例を見る回答例を閉じる
新形式では「350語書け」という旧形式のアドバイスは当てはまりません。Academic Discussionは約10分で100語前後、Emailは語数より依頼・理由・具体などの要件充足を優先します。長さより、立場の明確さ・展開・正確さで評価されます。薄い文で語数を稼ぐと誤りが増えて逆効果です。
採点はAIですか、人間ですか?回答例を見る回答例を閉じる
Write an EmailとWrite for an Academic Discussionは、ETSのAI採点エンジンと認定された人間レーターの両方で採点されます。両者は同じ評価軸を見ているため、派手な表現を足すより、目的達成・展開・正確さを安定して出すほうが伸びやすくなります。
まとめ
TOEFLライティングの20点・25点は、旧0〜30スケールの数字です。新バンドに置き直すと、20点=band4の上端/25点=band5で、その間の21〜23点が「25点の壁」になります。採点は各0〜5ルーブリックの積み上げで、平均3が約20点、平均4が約25点です。
だから伸ばす順番は決まっています。〜20点は要件達成→基本ミス→分量で土台を固め、20→25点は展開→語彙文法の幅→誤りの密度で「3を4に」する。25点以上は精度の世界です。旧形式の「350語書け」に引っ張られず、短くても展開と正確さで勝負しましょう。
採点基準そのものは採点基準の記事、形式の全体像は新形式の解説で確認できます。書いた答案をその場で添削・反復したい場合は、AIを使った自己添削も選択肢に入ります。









