- IELTSスピーキング パート3の例題を見ながら練習したい
- IELTSスピーキング パート3で思いつかないときの対処法を知りたい
- 抽象的な質問にどう答えればいいのか分からない
IELTSスピーキング Part3 は、試験の最後に待ち受ける4〜5分間のディスカッションパートです。Part2 のトピックに関連した抽象的な質問が飛んでくるため、「何を言えばいいか思いつかない」と感じる受験者は少なくありません。
しかし、Part3 で求められているのは深い知識ではなく、意見を広げて理由づけできる力です。答え方の型と時間稼ぎフレーズを押さえれば、抽象的な質問にも落ち着いて対応できるようになります。
この記事では、Part3 の例題8選、思いつかない時の立て直し方、テンプレート、よくある失敗パターンまでまとめて解説します。

IELTSスピーキング Part3 は何を見られるパートか
IELTSスピーキング Part3 は、Part2 のテーマにつながる話題を、より一般的・抽象的に議論するパートです。試験時間は4〜5分で、試験官と一対一のディスカッション形式で進みます。
公式の説明では、Part3 で評価されるのは「express and justify opinions, analyse, discuss, speculate」する力とされています。つまり、単に答えを返すだけでなく、意見を述べ、理由をつけ、分析や推測まで展開できるかが見られます。
Part1 との違いを整理すると分かりやすいです。Part1 は「あなた自身」について聞かれる具体的な質問が中心です。一方、Part3 は「社会」や「人々」について聞かれる抽象的な質問が中心になります。
たとえば Part1 では "Do you like reading?" と聞かれますが、Part3 では "Why do you think some people don't read books anymore?" のように視点が変わります。個人の好みではなく、社会的な傾向について意見を述べる力が求められるのが Part3 の特徴です。
Band 7 の Fluency and Coherence 基準では「speaks at length without noticeable effort」とされています。止まらずに話し続ける力も評価対象に含まれるため、答え方の型を持っておくことが重要です。
Part3 は「正しい答え」を出すパートではありません。意見を論理的に広げられるかどうかが評価の中心です。
Part3 を怖がる必要はありません。正解がない分、型を使って展開さえすれば、誰でもスコアを伸ばせるパートです。
Part1 の対策はIELTSスピーキング Part1の記事、Part2 とのつながりはPart2の例題記事も参考になります。
思いつかない時に使える時間稼ぎフレーズ7つ

Part3 で頭が真っ白になるのは珍しいことではありません。抽象的な質問に即座に答えるのは、母語でも難しいものです。大切なのは、沈黙して固まることではなく、短く考える時間を作ることです。
IDP公式のアドバイスでも、brief pause to think は問題ないとされています。一方で、"umm..." "ahh..." "you know..." のような filler の多用は避けるべきとも書かれています。そこで役立つのが、自然に間を作れる時間稼ぎフレーズです。
以下の7つは、実際の試験でそのまま使えるフレーズです。
- That's an interesting question. — 質問を受け止めるフレーズとして最も自然です
- I've never really thought about that, but... — 考えたことがないテーマでも、正直に言いつつ答えに入れます
- Let me think about that for a moment. — 直接的に「少し考えさせてください」と伝える表現です
- That's a good point. — 試験官の質問を肯定しながら、自分の考えをまとめる時間を作れます
- It's a difficult question, but I think... — 難しい質問であることを認めてから、意見につなげます
- One possible answer is that... — 断定を避けながら、考えを述べ始めるのに便利です
- In general, I would say... — 一般論として答え始める形で、Part3 の抽象的な質問と相性がよいです
実際の使い方を見てみます。試験官に "Do you think technology has changed the way people communicate?" と聞かれた場合、次のように使えます。
悪い例
(3秒の沈黙)... Umm... yes, I think so.
良い例
That's an interesting question. I think technology has definitely changed communication in many ways. For example, ...
フレーズを言っている間に、理由や例を頭の中で準備するのがポイントです。
時間稼ぎフレーズは1つの質問につき1回が目安です。毎回同じフレーズを使うと不自然に聞こえるため、2〜3種類を使い分ける練習をしておくと安心です。
時間稼ぎフレーズは逃げではありません。呼吸を整えて答えを組み立てるための、実用的な技術です。
話が思いつかない感覚そのものにはブレインストーミングの記事、評価観点の全体像はIELTSスピーキングのコツ記事も役立ちます。
Part3の答え方テンプレート3つ

Part3 は毎回違う質問が来ますが、答え方の型を持っておくとかなり楽になります。ここでは、どんなテーマにも応用しやすい3つのテンプレートを紹介します。
1. 意見 → 理由 → 例(Opinion-Reason-Example)
最も使いやすい基本型です。まず意見を述べ、理由を説明し、具体例で補強します。
テンプレート: I think ... because ... For example, ...
質問例: Do you think schools should teach practical life skills?
回答例: I think schools should definitely teach practical life skills because many students graduate without basic knowledge like managing money or cooking. For example, in Japan, many university students struggle with budgeting when they start living alone.
2. 一般論 → 理由(General Statement-Reason)
個人的な意見ではなく、社会全体の傾向として答える型です。Part3 の抽象的な質問に特に合います。
テンプレート: In many cases, people ... because ...
質問例: Why do some people prefer living in big cities?
回答例: In many cases, people prefer living in big cities because urban areas offer more job opportunities and better access to public services. On top of that, young professionals tend to value the social and cultural experiences that only large cities can provide.
3. 比較 → 結論(Comparison-Conclusion)
過去と現在、または2つの立場を比較してから結論を述べる型です。"On the other hand..." を使うと、複数の視点を考えられる力を示せます。
テンプレート: Compared with the past, ... On the other hand, ... So I think ...
質問例: Is technology making communication better?
回答例: Compared with the past, people can now communicate instantly through messaging apps and video calls. On the other hand, some argue that face-to-face conversations have become less frequent. So I think technology has improved convenience, but the quality of communication depends on how people use it.
3つの型を場面に応じて使い分けるだけで、短答で終わるリスクが大きく減ります。
Band 7 の Lexical Resource 基準では「uses vocabulary with flexibility and precision」が求められます。テンプレートを土台にしながら、テーマに合った語彙を入れ替える練習が効果的です。
テンプレートは暗記するものではなく、練習の中で体に染み込ませるものです。最初は型を意識しながら、徐々に自然に出るようにしていきましょう。
答え方の骨組みをさらに学びたい人はスピーキングテンプレート記事、学習全体の流れはIELTS対策記事もつながります。
IELTSスピーキング Part3 の例題8選と答え方のヒント
Part3 で頻出するトピックは、教育、テクノロジー、環境、仕事、文化、都市化の6つの分野に集中しています。ここでは代表的な例題8つを、回答のヒントとモデル回答の一部とともに紹介します。
教育
Q1. Do you think schools should teach practical life skills? ヒント:「何を学ぶべきか」「なぜ学校で教える必要があるか」の2点で展開します。 モデル回答の出だし:I believe schools should include practical skills like financial literacy and cooking because many students lack these skills when they enter adult life.
Q2. Should children use smartphones from an early age? ヒント:利点(学習アプリ)と懸念(集中力低下)の両面を述べてから、自分の立場をまとめます。 モデル回答の出だし:This is a debatable topic. On one hand, smartphones can be useful educational tools. On the other hand, excessive screen time may affect children's concentration and social skills.
テクノロジー
Q3. Is technology making communication better? ヒント:「便利さ」と「失われたもの」を比較する構造が使いやすいです。 モデル回答の出だし:In some ways, technology has greatly improved communication by allowing people to connect instantly across distances. However, I think the quality of face-to-face interaction has declined.
都市・環境
Q4. Why do some people prefer living in big cities? ヒント:雇用機会、公共サービス、文化的刺激の3つが主な理由として使えます。 モデル回答の出だし:In general, I would say that people move to cities mainly for better career opportunities and access to public services such as hospitals and transportation.
Q5. Should governments spend more money on public transport? ヒント:環境問題と経済効果の両面から論じると説得力が増します。 モデル回答の出だし:I think governments should invest more in public transport because it reduces traffic congestion and carbon emissions, which benefits society as a whole.
仕事・キャリア
Q6. Why do people change jobs more often today? ヒント:過去との比較を入れると Part3 らしい答えになります。 モデル回答の出だし:Compared with the past, the job market has become more flexible. Many young professionals prioritize personal growth over long-term stability, so they tend to switch jobs more frequently.
文化
Q7. Is it important to protect traditional culture? ヒント:「守る理由」と「変化の必要性」の両方を述べ、バランスのとれた結論を出します。 モデル回答の出だし:I believe traditional culture is worth protecting because it gives people a sense of identity and belonging. At the same time, culture naturally evolves, so I think the key is to preserve core values while allowing some adaptation.
世代の違い
Q8. Do young people spend their free time differently from older people? ヒント:具体的な活動の違い(SNS vs 読書など)を挙げてから、理由を一般論で述べます。 モデル回答の出だし:Yes, I think there are clear differences. Many young people spend their free time on social media and gaming, while older generations tend to prefer activities like reading or gardening. One possible reason is that younger people have grown up with digital technology.
すべてのモデル回答に共通しているのは、意見→理由→具体例または比較という構造です。答える内容よりも、論理的に展開する流れを意識してください。
例題を幅広く見たい人はIELTSスピーキング例題まとめ記事、使えるフレーズ集はIELTSスピーキングフレーズ記事も相性がよいです。
抽象的な質問を一般論に上げる4つのコツ

Part3 で苦しくなる受験者の多くは、個人的な体験から抜け出せないことが原因です。Part1 では "I like..." "I usually..." と自分のことを話せばよいですが、Part3 では視点を一段上げて一般論として語る力が求められます。
ここでは、個人の話を一般論に上げるための4つのコツを紹介します。
1. 主語を people / society / young people に変える
最もシンプルで効果的な方法です。
悪い例
I use my smartphone a lot every day.
良い例
Many young people rely heavily on smartphones for both communication and entertainment.
主語を変えるだけで、答えが Part3 にふさわしいトーンに変わります。
2. 比較を入れる
過去と現在、都市と地方、若者と高齢者など、2つの要素を比較すると話が広がります。
悪い例
I think cities are convenient.
良い例
Compared with rural areas, cities tend to offer more diverse job opportunities and cultural experiences.
3. 原因と結果で考える
「なぜそうなるのか」「その結果どうなるか」を加えると、分析力を示せます。
悪い例
People change jobs a lot now.
良い例
Because the job market has become more competitive, many professionals feel the need to develop new skills, which often leads them to change careers.
4. 将来への影響を一言足す
現在の話に加えて「今後どうなるか」を述べると、speculate する力を見せられます。
悪い例
Technology is important.
良い例
Technology is playing an increasingly important role in education, and I believe this trend will continue as more schools adopt digital learning tools.
4つすべてを1つの回答に入れる必要はありません。1つか2つを意識するだけで、答えの質は大きく変わります。
Part3 で高評価を取る答えは、深い知識から生まれるのではありません。「視点を一段上げられるかどうか」が鍵です。主語を変えるだけでも、かなり印象が変わります。
抽象化の感覚を鍛えるにはスピーキング勉強法の記事、採点基準の詳細はスコアリング基準の記事も参考になります。
Part3でやりがちな失敗6つ
Part3 で伸び悩む受験者には、共通する失敗パターンがあります。ここでは代表的な6つを、具体例とともに解説します。
1. 個人的体験だけで終わる
Part3 なのに "I like..." "I always..." と自分の話だけで終わるパターンです。試験官は一般的な視点を求めているため、主語を広げる意識が必要です。
2. 一言で終わる
"Yes, I think so." だけで止まってしまうと、展開力がないと判断されます。Band 7 では「speaks at length without noticeable effort」が基準です。最低でも3〜4文は続けるようにします。
3. filler が多い
"Umm... ahh... you know..." が頻繁に入ると、流暢さの評価が下がります。前のセクションで紹介した時間稼ぎフレーズに置き換えるだけで印象は変わります。
4. 難しくしようとして崩れる
難しい単語や複雑な構文を無理に使い、文法が崩れるケースです。シンプルな文を正確に並べる方が、スコアは安定します。
5. 理由がない
意見だけ述べて理由をつけないと、説得力が生まれません。
悪い例
I think protecting culture is important. That's my opinion.
良い例
I think protecting culture is important because it helps people maintain a sense of identity. Without cultural traditions, communities may lose the values that connect generations.
6. 比較や一般論が入らない
Part1 と同じ答え方をしてしまうパターンです。Part3 では「一方で」「社会全体では」という視点を入れるだけで、答えの質が上がります。
Part3 は難しそうに聞こえる答えを目指す場ではありません。短くても、理由と一般論が入っていればスコアは安定します。
失敗パターンを知っておくだけで、本番での自己修正が早くなります。練習のときから「今の答え、6つのうちどれに当てはまるか」を意識してみてください。
高評価の方向性はIELTSスピーキングのコツ記事、スピーキング練習全般は英語スピーキング練習の記事も役立ちます。
Part3を伸ばす1週間練習メニュー
Part3 の力は、短期間でも集中的に練習すれば伸ばせます。以下は、1日15〜20分を目安にした1週間の練習メニューです。
| 曜日 | 練習内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 月 | 例題を2つ選び、答えを書き出す | まずは日本語でもよいので、理由と例を整理する |
| 火 | 時間稼ぎフレーズを声に出して練習 | 7つのうち3つを選び、自然に出るまで繰り返す |
| 水 | 意見→理由→例の型で口頭回答 | テンプレート1を使い、2つの例題に答える |
| 木 | 録音して聞き返す | 「filler が多くないか」「一言で終わっていないか」をチェック |
| 金 | 主語を一般論に上げる練習 | 同じ質問に対して、主語を I → people / society に変えて答え直す |
| 土 | Part2 → Part3 をつなげて練習 | Part2 のトピックから自然に Part3 に移行する流れを体感する |
| 日 | 苦手テーマを1つだけ復習 | 1週間で最も答えにくかったテーマを集中的にやり直す |
Part2 との接続は本番でも重要です。完全に切り離さず、Part2 のトピックから派生する形で Part3 を練習した方が自然な流れを体感できます。
録音して聞き返す練習は、自分では気づけない癖を発見するのに効果的です。木曜日だけでなく、余裕があれば毎回録音する習慣をつけてみてください。
Part3 は独学でも十分に練習できるパートです。ただし、実際に声に出して答える練習を必ず入れてください。頭の中で考えるだけでは、本番の流暢さにつながりません。
Part2 の練習方法はPart2の例題記事、全体の学習計画はIELTSスピーキング対策記事も参考になります。
まとめ
IELTSスピーキング Part3 の練習では、例題の数をこなすだけでなく、思いつかない時の立て直し方と、意見を一般論へ広げる型が大切です。
今回のポイントをまとめると、次の通りです。
- Part3 は4〜5分の抽象的なディスカッションパート
- 思いつかない時は、時間稼ぎフレーズで間を作る
- 意見→理由→例の型を基本に、比較や一般論を加える
- 主語を I から people / society に変えるだけで答えの質が上がる
- 難しい知識より、理由づけと論理的な展開力が評価される
- 6つの失敗パターンを知っておくと、本番での自己修正が早くなる
最初の一歩としては、この記事の例題を1つ選び、意見→理由→一般論の3段階だけで答える練習から始めるのがおすすめです。
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