- TOEIC Speaking がどんなテストか分からず、L&R との違いも整理できていない
- 11問・約20分の流れや、音読・写真描写・意見といった設問タイプを知っておきたい
- L&R の点数は持っているけれど、話す対策を何から始めればいいか迷っている
この記事では、TOEIC Speaking(S&W の Speaking パート)の形式・スコア・設問タイプ・対策を、スピーキング指導の視点で整理します。
実は、TOEIC Speaking は L&R とはまったく別の試験です。別申込・別日程・別スコアで、L&R が満点でも話す力は自動的には測れません。
- TOEIC Speaking は L&R とは別の試験。別申込・別日程で、スコアも別に出る
- 11問・約20分・0〜200点。S&W(Speaking & Writing)の Speaking パート
- L&R が満点でも「話す対策」は別途必要。設問タイプごとに型を用意するのが近道
TOEIC Speakingとは?L&R・S&Wとの関係を整理
「TOEIC」と聞くと、多くの人がマークシートの L&R を思い浮かべます。ですが TOEIC には、話す力・書く力を測る別のテストも用意されています。それが S&W(Speaking & Writing)です。
TOEIC Speaking は、この S&W のうち「話す」パートを指します。パソコンに向かい、ヘッドセットのマイクに英語で話して、その音声が採点される形式です。
まずは S&W の全体像と、L&R との位置づけを整理しておきましょう。ここを取り違えると、申込や対策の方向を間違えやすくなります。
S&Wの中のSpeaking=S 0-200/W 0-200/合計400
S&W は、Speaking(話す)と Writing(書く)の2つのテストをまとめた呼び方です。それぞれ独立してスコアが出ます。
- Speaking:11問・約20分・0〜200点
- Writing:8問・約60分・0〜200点
- 2つ合わせて、合計 400点満点
Speaking だけ、Writing だけを単独で受けることもできます。日本では2つをセットにした「S&W」として実施されることが多いですが、スコアはあくまで技能ごとに別々に出ます。
この記事で扱うのは、このうち Speaking(0〜200点)です。
L&Rとは別申込・別日程・別スコア
ここが最も誤解されやすいポイントです。L&R と S&W は、名前は同じ「TOEIC」でも、まったく別のテストです。
L&R は Listening(聞く)と Reading(読む)を測る、990点満点のマークシート試験です。一方の S&W は話す・書くを測るテストで、申込も日程もスコアも L&R とは独立しています。
つまり、L&R を申し込んでも Speaking は受けられません。Speaking を受けるには、S&W(または Speaking 単独)を別に申し込む必要があります。
L&R のスコア帯ごとの目安は、別記事の TOEIC L&R スコアレベル別の目安 で詳しく解説しています。
L&RとTOEIC Speakingは何が違う?

L&R と Speaking の違いは、ひとことで言えば「受け取る力」と「生み出す力」の差です。L&R は聞いて・読んで答えを選ぶテストで、Speaking は自分で言葉を組み立てて発するテストです。
採点の仕組みも違います。L&R は選択式なので、答えはコンピュータが機械的に採点します。Speaking は決まった正解がないため、ETS 認定の採点者が音声を聞いて評価します。
下の表で、両者の違いを中立的に並べてみます。どちらが上ということではなく、測っているものが別、という整理です。
| 比較項目 | TOEIC L&R | TOEIC Speaking |
|---|---|---|
| 測る技能 | 聞く・読む(受け取る力) | 話す(生み出す力) |
| 解答形式 | マークシートで選択 | ヘッドセットに発話 |
| 採点 | コンピュータによる自動採点 | ETS 認定採点者による評価 |
| 満点 | 990点 | 200点 |
| 問題数・時間 | 200問・約2時間 | 11問・約20分 |
| 申込 | L&R 単独で申込 | S&W(または Speaking 単独)で別申込 |
この違いがあるため、L&R のスコアが高くても、それがそのまま「話せる証明」になるわけではありません。読めば分かる単語でも、とっさに口から出せるかは別の力だからです。
TOEIC 980 / TOEFL iBT 106 / IELTS 7.5(CEFR C1)/ 海外MBA合格
形式|11問・約20分の流れ
TOEIC Speaking は、5つの設問タイプ・合計11問で構成されます。テスト時間は約20分です。タイプごとに準備時間・解答時間・配点が決まっています。
まずは全体像を1枚で把握しておくと、対策の見通しが立てやすくなります。
設問タイプ一覧

| 設問タイプ | 問数 | 準備時間 | 解答時間 | 配点 |
|---|---|---|---|---|
| ① 音読(Read a text aloud) | 2 | 45秒 | 45秒 | 各 0-3 |
| ② 写真描写(Describe a picture) | 2 | 45秒 | 30秒 | 各 0-3 |
| ③ 応答(Respond to questions) | 3 | なし | 15 or 30秒 | 各 0-3 |
| ④ 提示情報応答(Respond using information provided) | 3 | 45秒 | 15 or 30秒 | 各 0-3 |
| ⑤ 意見(Express an opinion) | 1 | 45秒 | 60秒 | 0-5 |
配点に注目してください。①〜④は1問ごとに 0-3 ですが、⑤の意見問題だけは 0-5 と配点が高いです。ここがスコアを左右しやすいタイプです。
なお、上の問数・時間・配点は公式(IIBC / ETS)の最新フォーマットに基づいています。
各タイプの中身
5つのタイプが、それぞれ何を問うのかを見ていきます。求められる力が違うので、対策も分けて考えると効率的です。
① 音読(2問・各0-3) は、画面に表示された英文を声に出して読み上げるタイプです。発音・イントネーション・区切り方が見られます。準備45秒・解答45秒です。
② 写真描写(2問・各0-3) は、1枚の写真を見て、その内容を英語で説明するタイプです。何が・どこに・どんな様子か、を順に言えるかが問われます。準備45秒・解答30秒です。
③ 応答(3問・各0-3) は、身近な話題について口頭で質問され、準備時間なしで即答するタイプです。3秒ほどで答え始める必要があります。解答は質問により15秒か30秒です。
④ 提示情報応答(3問・各0-3) は、スケジュール表などの資料を読み、それに基づいて質問に答えるタイプです。資料を45秒で確認し、内容を正確に伝えられるかが問われます。
⑤ 意見(1問・0-5) は、あるテーマについて自分の意見を述べるタイプです。準備45秒・解答60秒で、立場・理由・具体例をまとめて話します。1問あたりの配点が最も高いタイプです。
スコアと難易度|平均・レベル別評価・目標点
TOEIC Speaking のスコアは 0〜200点で、10点刻みで出ます。さらに、点数とは別に「8段階のレベル(Proficiency Level)」でも評価が示されます。
採点では、主に次の観点が見られます。
- 発音・イントネーション/アクセント(明瞭さ)
- 文法の正確さ
- 語彙の適切さ・幅
- 内容の一貫性・課題への適合
このうち発音とイントネーション/アクセントは、点数とは別に HIGH/MEDIUM/LOW の3段階でも示されます。自分の弱点が「発音そのものか、話の組み立てか」を切り分ける手がかりになります。
レベル別評価の目安
公式(IIBC)が公開しているレベル別の目安は、おおよそ次のとおりです。点数の数値範囲は公式のスコア記述表に基づきます。
| レベル | スケールスコア | おおまかな目安 |
|---|---|---|
| 8 | 190-200 | 職場で必要な内容を、つながりのある談話で的確に話せる |
| 7 | 160-180 | 意見を効果的に述べられる。ときに小さな弱点が出る |
| 6 | 130-150 | 要求には応えられるが、明瞭さに欠ける場面がある |
| 5 | 110-120 | 意見を述べようとすると、ためらいが多くなる |
| 4 | 80-100 | 意見の説明で行き詰まりやすい |
| 3 | 60-70 | 意見は言えても、根拠を支えきれない |
| 2 | 40-50 | 意見を述べたり支えたりするのが難しい |
| 1 | 0-30 | 多くの設問で解答が不十分 |
平均点と目標の決め方
公式データでは、TOEIC Speaking の平均は約131点(2024年度・公開テスト。IIBC 公式データ)です。これはレベル6の下のあたりにあたります。
目標は、提出先の要件から逆算するのが現実的です。就職・社内評価で「話せる証明」をしたいなら、まずは平均を超えるレベル6〜7(130〜180点)を一つの目安にすると、対策の方向が定まります。
スコアを伸ばすうえで見落とされがちなのが、発音とイントネーションが点数とは別枠で HIGH/MEDIUM/LOW 評価される点です。文法や語彙を磨いても、棒読みで抑揚が一定だと印象点で損をします。録音して聞き返すと「自分は思ったより早口」「トーンが一本調子」と気づけるので、まずは現状把握から始めるのがおすすめです。
L&R のリスニング対策は、別記事の TOEIC リスニングの勉強法 で解説しています。

対策|設問タイプ別の答え方
ここからは、スコアにつながる答え方を整理します。タイプごとに型を用意しておくと、本番で迷わずに話し始められます。
全タイプに共通する5つの原則
まず、どのタイプにも効く土台があります。スピーキング指導の現場でも繰り返し伝えている原則です。
- 沈黙を作らない:無言の時間は点になりません。詰まったらフィラー("Well,"/"Let me think,")で間をつなぎ、話し続けます
- 結論ファースト:最初に立場・要点を1文で言い切ります。残りの時間で理由と例を足します
- 仕込んだフレーズを使う:頻出トピックの言い回しを事前に口に入れておくと、本番で自然に出てきます
- 録音セルフチェック:自分の声を録ると、早口・モノトーンといった癖に気づけます
- 言い換えを3〜4個持つ:good を great / fantastic / impressive と言い換えられると、語彙の幅として評価されます
特に①の「沈黙を作らない」と②の「結論ファースト」は、同じ解答時間でも印象が大きく変わります。短く言い切って終わるのと、型に沿って広げるのとでは、採点者に渡せる材料の量が違います。
悪い例
短い棒読み回答:『Yes, I think so.』で止まり、理由も例もない。採点者は評価する材料が乏しい
良い例
型に沿った回答:結論→理由→具体例の順に1文ずつ足す。同じ15秒でも『話せる』ことを示せる
本番でゼロから考えると、頭が真っ白になりがちです。だからこそ、よく出るトピックは「自分のスタンス」を事前に決めておきます。意見は本心である必要はなく、話しやすい立場で構いません。立場を先に固定しておくと、回答全体が崩れにくくなります。
写真描写の型
写真描写(②)は、見たままを順番に言うだけで形になります。次の型を覚えておくと、30秒を埋めやすくなります。
This is a picture of [場所・場面].
In the [center / foreground], I can see [主役と動作].
In the background, there is [背景の様子].
It seems that [推測・全体の印象].
「中央に何があるか → 背景に何があるか → どんな様子か」の順に1文ずつ足すのがコツです。細かく描写しようとせず、確実に言える要素から並べます。
NG回答
People are in a room. They are talking.
高スコア回答
This is a picture of a meeting in an office. In the center, I can see some people sitting around a table and talking. In the background, there is a large window. It seems that they are discussing a work project.
意見問題の型
意見問題(⑤)は配点が 0-5 と高く、ここで差がつきます。立場・理由・具体例をワンセットで話せる型を用意しておきましょう。
In my opinion, [立場] is better.
The main reason is that [理由].
For example, [具体例].
That is why I think [立場] is better.
ポイントは、最初の1文で立場を言い切ることです。理由は欲張らず1つに絞り、その1つを具体例で支えると、60秒がきれいにまとまります。
NG回答
I agree. Working from home is good because it is nice.
高スコア回答
In my opinion, working from home is better. The main reason is that it saves commuting time. For example, I can use those two hours to study English or rest, so I can focus better at work. That is why I prefer working from home.
頻出トピック(仕事・教育・生活習慣など)については、あらかじめ「自分の立場」と「理由1つ」を決めておくと、準備45秒で骨組みをすぐ組み立てられます。
よくある質問(FAQ)
TOEIC L&R と Speaking、どっちが難しい?回答例を見る回答例を閉じる
測る力が違うので、単純な上下はつけにくいです。ただ「自分で言葉を生み出す」ぶん、L&R で高得点でも Speaking で苦戦する人は珍しくありません。聞く・読むは答えを選べますが、話すは正解を自分で組み立てる必要があるためです。L&R で土台はできても、話す練習は別に必要だと考えておくと安全です。
L&R が満点なら、Speaking 対策はしなくていい?回答例を見る回答例を閉じる
いいえ。L&R が満点でも、Speaking は別の試験・別のスコアです。読めば分かる単語と、とっさに口から出せる単語は別物だからです。設問タイプごとの型を用意し、声に出して反復する練習をしておくことをおすすめします。
英検でいうと何級相当?回答例を見る回答例を閉じる
公式な換算表はありません。CEFR を補助線にすると、TOEIC Speaking 160点前後がおおむね CEFR B2 の目安で、英検では準1級あたりが B2 に対応します。ただし「話す力だけを測る Speaking」と「複数技能をまとめて測る英検の級」は性質が違うため、級の置き換えはあくまで参考程度に考えてください。
何回でも受けられる?回答例を見る回答例を閉じる
年に複数回の公開テストがあり、申し込めば繰り返し受験できます。回数を重ねて形式に慣れること自体が対策になります。最新の実施日程・申込方法は IIBC の公式サイトで確認してください。
- TOEIC Speaking は L&R とは別の試験。11問・約20分・0〜200点で「話す力」を測る
- スコアは8段階のレベルでも示され、平均は約131点(2024年度)。発音・イントネーションは別枠で評価される
- 対策は「沈黙を作らない・結論ファースト・型を用意」が軸。意見問題(0-5)から固めると効率的









