- 一次は通ったのに、面接で頭が真っ白になって話せなくなるのが怖い
- 2分の4コマナレーションで、何をどの順に話せばいいのか分からない
- No.1〜No.4で何を聞かれ、どう答えれば点になるのかを知りたい
準1級の二次試験は、合格率が約87%と高い試験です。それでも一定数が落ちるのは、英語力そのものより面接の「形式への不慣れ」でつまずくから。流れと型を知らないまま本番に臨むと、いちばんもったいない「沈黙」につながります。
この記事では、二次試験の流れを公式情報にもとづいて整理し、2分の4コマナレーションの話し方、No.1〜No.4の回答例、そのまま使える型までを1本にまとめました。仕上げには、本番前に自分で確認できるチェックリストも用意しています。
読み終わるころには、入室から退室までの動きと、各設問で何をどう答えればいいかが具体的にイメージできるはずです。一次を突破した実力があれば、あとは面接の形式に慣れるだけ。型を先に知っておけば、本番で落ち着いて話し切れます。
AI英会話 SpeechPass話した分だけ、自分の英語が育つ。英検準1級 二次試験とは?約8分の面接の全体像
英検準1級の二次試験は、面接委員と1対1で行う約8分のスピーキング試験です。一次試験(筆記・リスニング)を通過した人だけが受けられます。
中心になるのは、4コマのイラストを見て物語を語る「ナレーション」と、それに続く4つの質問(No.1〜No.4)です。準備時間や進め方には公式のルールがあり、知っているだけで当日の動揺をかなり減らせます。
級によって面接の形式は大きく変わります。3級・2級の流れは英検3級の二次試験や英検2級の二次試験で別途まとめています。他の英語試験との位置づけは次の記事も参考になります。
入室から退室までの当日の流れ
公式(日本英語検定協会のバーチャル二次試験)で示されている流れは、おおむね次のとおりです。順番を頭に入れておくと、迷う場面が減ります。

- 入室・あいさつ、面接カードを面接委員に渡す
- 簡単な日常会話(氏名や調子を聞かれる程度)
- 問題カードを受け取る
- 準備1分 … カードのイラストを見て構成を考える
- ナレーション2分 … 4コマのストーリーを語る
- No.1の質問に答える
- カードを裏返す(伏せる)よう指示される
- No.2〜No.4の質問に答える
- カードを返却し、退室
ナレーションが終わると、No.1まではカードを見たまま答えます。No.2以降はカードを伏せ、面接委員の質問だけを頼りに答える流れです。
公式の採点観点(「38点満点」は通説なので注意)
採点について、ネット上では「ナレーション15点・応答内容◯点で38点満点」といった配点表をよく見かけます。ただし、こうした細かな点数配分は塾や受験者の間で語られる通説であり、公式に発表された配点ではありません。
公式が示しているのは、点数の内訳ではなく「何を見るか」という採点の観点です。一般に、次のような観点で総合的に評価されると言われています。
- ナレーション(4コマの物語を筋道立てて語れているか)
- 応答内容(No.1〜No.4の質問に的確に答えているか)
- 語彙(適切で幅のある語を使えているか)
- 文法・語法(正確に文を組み立てられているか)
- 発音(聞き取りやすく話せているか)
- 情報量(十分な分量を話しているか)
- アティチュード(積極的に伝えようとする態度)
大事なのは、配点の数字を覚えることではありません。これらの観点を1つずつ満たす話し方を準備しておくことです。
合格率は約87%でも落ちる理由
二次試験(面接)の合格率は約87%とされ、一次に比べてかなり高い水準です。一次を突破した実力者だけが受けるため、対策をすれば多くの人が通過できます。
それでも一定数は不合格になります。理由の多くは英語力そのものより、面接の「形式に慣れていないこと」にあります。
具体的には、ナレーションで言い出し文を使わない、質問の意図とずれた答えを返す、詰まって沈黙する、といったつまずきです。逆に言えば、形式と型を押さえるだけで合格はぐっと近づきます。
4コマナレーションの攻略法(1分準備・2分で話す)
二次試験で多くの人が苦戦するのが、最初の4コマナレーションです。ここを安定させられるかで、面接全体の印象が決まります。
まずは公式ルールを正しく理解し、そのうえで「型」に沿って話す練習を重ねるのが近道です。
公式ルール2つ(言い出し文は必須・メモは不可)
ナレーションには、必ず守るべき公式ルールが2つあります。知らずに本番を迎えると、それだけで減点につながります。
1つ目は、カードに印刷された言い出し文を使うことです。4コマそれぞれの上に時間や状況を表す語句が印刷されており、1コマ目は必ず "One day," で始めます。2コマ目以降も "That weekend," のような印刷語句を使って話し始めます。
2つ目は、準備時間にメモを取れないことです。配られるのは問題カードのみで、紙やペンは使えません。1分間は、頭の中だけで構成を組み立てます。
英語講師 | TOEIC 980 / TOEFL iBT 106 / IELTS 7.5(CEFR C1)/ 海外大学院合格
Sakiメモが取れない前提だからこそ、当日その場で考えるのではなく「型」を体に入れておくのが効きます。型があれば、1分の準備では細部のキーワードを各コマに割り当てるだけで済みます。
2分の時間配分(1コマ25〜30秒で語り切る)
ナレーションの持ち時間は2分です。4コマあるので、単純計算で1コマあたり25〜30秒、文にして2〜3文が目安になります。

1コマ目に時間をかけすぎると、4コマ目を語る前に時間切れになります。「各コマ2〜3文で淡々と進める」と決めておくと、最後まで語り切れます。
逆に、短すぎて1分ほどで話し終えてしまうのも避けたいところです。情報量も採点の観点なので、各コマの様子や人物の気持ちを1文ずつ足して、2分に近づける意識を持ちましょう。
ナレーションの型(言い出し文+時間表現でつなぐ)
ナレーションは、次の型に当てはめると組み立てやすくなります。各コマを「印刷語句で始め、人物の行動と気持ちを描写する」だけです。
One day, [人物] was [していたこと].
[印刷語句 例: That weekend], [次に起きた出来事].
[印刷語句 例: A few days later], [変化や問題].
[印刷語句 例: Later that day], [結末] and [人物] felt [感情].
ポイントは、各コマの頭を必ず印刷語句で始めることです。時間表現が場面転換の合図になり、面接委員がストーリーを追いやすくなります。
吹き出しや看板など、イラスト内の文字情報も見逃さないようにします。セリフがあれば "He said that he would…" のように間接話法で取り込むと、情報量が自然に増えます。
つまずかない3要素(過去形・5W・感情副詞)
ナレーションで崩れる人には共通点があります。次の3要素を意識するだけで、安定感が大きく変わります。
- 時制は過去形で統一する。物語は過去の出来事として語るのが基本です
- 誰が・何を・どこでを各コマで明確にする。主語が曖昧だと話が伝わりません
- 人物の気持ちを -ly の副詞で添える。happily / nervously / sadly などで感情を一言加えます
英語講師 | TOEIC 980 / TOEFL iBT 106 / IELTS 7.5(CEFR C1)/ 海外大学院合格
Saki最後のコマで人物の感情を一言添えると、物語に締まりが出ます。"and she felt relieved." のように、感情を表す副詞や形容詞をいくつか口に出せる状態にしておくと、本番でとっさに出てきます。
No.1の質問(イラストの人物になりきって答える)

ナレーションが終わると、最初の質問No.1が来ます。No.1は、カードに描かれた特定の人物になりきって答える、仮定法の質問です。
典型的には「If you were the woman in the 4th frame, what would you be thinking?(4コマ目の女性なら、何を考えているでしょうか)」のように聞かれます。
答えるときは、仮定法で人物の心の中を代弁するのが基本です。次の型が使えます。
I would be thinking that [心の中で考えていること].
I would feel [感情] because [理由].
質問では "would" が使われているので、答えも "I would be thinking…" と仮定法でそろえると自然です。カードはまだ見られるので、4コマ目の状況を確認しながら答えて構いません。
If you were the man in the fourth picture, what would you be thinking?回答例を見る回答例を閉じる
I would be thinking that I should have prepared more carefully for the trip. I would feel disappointed because my plan did not go as I expected.(旅行のためにもっと入念に準備しておくべきだったと考えているでしょう。計画どおりに進まず、がっかりしていると思います。)
広げ方: まず "I would be thinking that …" で考えを述べ、続けて "I would feel … because …" で感情と理由を1つ足すと、2文で過不足なくまとまります。
No.2〜No.4の質問(トピックへの意見を論理立てて述べる)

No.1のあと、面接委員からカードを裏返すよう指示されます。ここからのNo.2〜No.4は、カードのトピックに関連した「社会的な意見」を問う質問に変わります。
質問の性質(時事・社会のトピック)
No.2〜No.4で扱われるのは、在宅勤務、教育、医療・健康、環境、高齢化といった、社会的なテーマです。「あなたはどう思うか」を英語で論理的に説明できるかが見られます。
カードは伏せているので、ここからは質問の聞き取りが勝負になります。聞き取れなかったときの対処は後述しますが、まずは「焦らず聞き返してよい」と知っておくだけで落ち着けます。
社会的トピックへの即答力は、日頃の練習で大きく伸びます。意見を述べる練習法は次の記事も参考にしてください。
回答の型(立場→理由→具体例)
意見質問は、結論(Yes/No・立場)を先に言うのが鉄則です。最初に立場を示すと、面接委員が話の方向を把握でき、評価が安定します。
Yes, I think so. / No, I don't think so.
This is mainly because [理由].
For example, [具体例].
So I believe [立場をもう一度].
語数は1問あたり30〜35語、文にして3〜4文が目安です。理由を2つに増やすより、1つの理由に具体例を1つ添えるほうが、短い時間でまとまります。
短く答えて終わるのと、理由・具体例まで言うのとでは、評価が大きく変わります。次の例で違いを見てみましょう。
NG回答
Yes, I think so.
高スコア回答
Yes, I think so. This is mainly because technology makes remote communication easier. For example, many companies now use video meetings every day. So I believe working from home will keep increasing.
実際の質問は次のような形で出されます。立場を先に出す感覚をつかんでおきましょう。
Some people say that schools should teach more about the environment. What do you think?回答例を見る回答例を閉じる
I agree with this idea. This is mainly because children will shape the future of our planet. For example, learning about recycling at school helps them build good habits early. So I think environmental education is very important.(この考えに賛成です。子どもたちが地球の未来をつくるからです。たとえば学校でリサイクルを学べば、早いうちに良い習慣が身につきます。だから環境教育はとても大切だと思います。)
広げ方: "I agree / I disagree" で立場を即決し、because で理由を1つ、for example で具体例を1つ。最後に立場を言い直すと締まります。
Do you think the government should do more to support elderly people?回答例を見る回答例を閉じる
Yes, I do. This is mainly because the number of elderly people is increasing in many countries. For example, more nursing care services are needed in local areas. So I believe the government should invest more in this field.(はい、そう思います。多くの国で高齢者が増えているからです。たとえば地域ではより多くの介護サービスが必要です。だから政府はこの分野にもっと投資すべきだと思います。)
広げ方: 社会問題系は「数が増えている/減っている」などの事実を理由にすると、具体例につなげやすくなります。
アティチュードで確実に点を取る

採点観点の1つに「アティチュード(態度)」があります。これは英語力とは別に、積極的に伝えようとする姿勢を評価するものです。練習でいちばん伸ばしやすい観点でもあります。
意識したいのは、次の4点です。
- 大きめの声で、はっきり話す。自信のなさは声の小ささに出ます
- アイコンタクトを取る。カードや机ばかり見ず、面接委員のほうを見て話します
- 沈黙で固まらない。完全に黙る時間を作らないことが大切です
- 聞き取れなければ聞き返す。だまって固まるより、聞き返すほうが好印象です
聞き取れなかったときや、考える時間がほしいときは、次のつなぎフレーズが使えます。だまり込まずに口を動かすことが、アティチュードの評価につながります。
I'm sorry, could you say that again?
Let me see…
Well, that's an interesting question.
英語講師 | TOEIC 980 / TOEFL iBT 106 / IELTS 7.5(CEFR C1)/ 海外大学院合格
Saki沈黙が続くと焦りが生まれ、ますます言葉が出なくなります。"Let me see…" のようなつなぎフレーズをゆっくり言い、その間に次の一言を考えるくらいでちょうどよいです。多用は禁物ですが、無言で固まるよりずっと印象が良くなります。
詰まらず滑らかに話す力そのものを伸ばしたい人は、流暢さの鍛え方も合わせてどうぞ。
落ちる人の共通点と対策チェックリスト

最後に、不合格になりやすいパターンと対策を整理します。多くは英語力ではなく「形式への慣れ」で防げるものです。
たとえば、ナレーションの始め方ひとつで印象が変わります。
本番前に、次のチェックリストで仕上がりを確認しましょう。すべて「はい」と言えれば、合格はかなり近づきます。
- ナレーションを、カード印刷の言い出し文(1コマ目は One day,)で始められるか
- 4コマを過去形で統一し、各コマ2〜3文・約2分で語り切れるか
- No.1で、仮定法(I would be thinking…)を使って人物になりきれるか
- No.2〜No.4で、Yes/No の立場を先に言ってから理由・具体例を続けられるか
- 聞き取れないとき、だまらずに聞き返すフレーズを言えるか
- 2分・各回答とも、時間と情報量を使い切れているか
これらは独学でも十分に対策できます。一人で進める練習の組み立て方は、次の記事が参考になります。

よくある質問(FAQ)
一次試験に合格すれば、二次試験が免除されることはありますか?回答例を見る回答例を閉じる
二次試験で不合格になった場合、申請により次回以降の一次試験が免除される制度があります(一定の有効期間あり)。一方で、一次合格そのもので二次が免除されるわけではありません。一次に通った人は、必ず二次(面接)を受ける必要があります。
準備時間にメモを取ってもいいですか?回答例を見る回答例を閉じる
いいえ。準備の1分間も、ナレーション中も、メモは取れません。配られるのは問題カードだけで、紙やペンは使えません。頭の中で構成を組み立てる前提で、型を体に入れておくのが対策になります。
服装は私服でも大丈夫ですか?回答例を見る回答例を閉じる
私服で問題ありません。スーツや制服である必要はなく、服装そのものが採点されることもありません。落ち着いて話せる、清潔感のある服装であれば十分です。
ナレーションが2分を超えたらどうなりますか?回答例を見る回答例を閉じる
2分を過ぎると、面接委員から「終了してください」と止められます。途中で止められても、慌てず質問のパートに進めば問題ありません。むしろ短すぎて情報量が足りないほうが不利になりやすいので、各コマを2〜3文で語り、2分に近づける意識を持ちましょう。
一次のライティング対策とあわせて準備したい人は、英検準1級のライティングも参考にしてください。








