英検のライティングは、2024年度のリニューアルで大きく変わりました。級ごとに出る問題が違い、何をどの順で書けばいいのか分かりにくい——そう感じている人は多いはずです。
この記事では、3級から準1級までの英検ライティングの書き方を、級別の型・公式の採点基準・そのまま使える表現に分けて整理します。意見論述・Eメール・新設された要約問題のどれにも対応できるようにまとめました。
- 出題は級で違う:3級・準2級は「Eメール+意見論述」、2級・準1級・1級は「要約+意見論述」の2題構成(2024年度〜)。
- 採点は4観点:内容・構成・語彙・文法(各0〜4点)。意見論述と要約は16点満点、Eメール(3級・準2級)は構成を除く3観点12点。
- 意見論述は「型」で守れる:意見→理由1→理由2→結論の4文構成を覚えれば、どの級でも崩れません。
- 要約はコピペ厳禁:本文を自分の言葉で言い換え、自分の意見や具体例は入れない。2025年度から語数は「指示」になり、範囲を外すと減点対象です。
英検ライティングは2024年から変わった|新形式の全体像
まず押さえたいのは、2024年度から英検のライティングが全級で2題構成になったことです。従来は意見論述が1題だけでしたが、級に応じて新しい問題が1題加わりました。
3級と準2級には「Eメール」が新設されました。質問が書かれたメールに返信する形式で、相手の質問に答える力が問われます。一方、2級・準1級・1級には「要約」が新設されました。与えられた英文を、決められた語数でまとめる問題です。
意見論述は全級で継続します。あるトピックについて自分の立場を決め、理由を添えて書く、英検ライティングの中心となる問題です。
さらに、2025年度からは要約問題の語数が「目安」から「指示」に変わりました。指定された範囲を超えても足りなくても減点の対象になるため、語数の管理がこれまで以上に重要です。

級別の出題形式・語数 早見表【3級〜準1級】
級ごとに「何が出て、何語書くのか」を一覧にしました。語数はあくまで目安ですが、要約は2025年度から範囲を守ることが求められます。
| 級 | 問題1の種類 | 問題1の語数 | 問題2(意見論述)の語数 |
|---|---|---|---|
| 3級 | Eメール | 15〜25語 | 25〜35語 |
| 準2級 | Eメール | 40〜50語 | 50〜60語 |
| 2級 | 要約 | 45〜55語 | 80〜100語 |
| 準1級 | 要約 | 60〜70語 | 120〜150語 |
1級も「要約+意見論述」の2題構成で、意見論述は200〜240語が目安です。級が上がるほど語数が増え、求められる論理の深さも増します。まずは自分が受ける級の語数を体に入れ、その分量を時間内に書ききる感覚をつかみましょう。
どの級を受けるか迷っている、英検とTOEFLなど他試験の違いも知りたいという人は、次の記事もあわせて読んでみてください。
採点で見られる4観点|内容・構成・語彙・文法
英検ライティングは、公式に4つの観点で採点されます。内容・構成・語彙・文法で、それぞれ0〜4点です。意見論述と要約はこの4観点すべてで採点され、16点満点になります。
注意したいのがEメールです。3級・準2級のEメールは「構成」を除いた内容・語彙・文法の3観点で採点され、12点満点になります。短い返信メールでは段落構成より、質問にきちんと答えているかが重視されるためです。
各観点が見ているポイントは、次の4つです。
- 内容:質問に答え、理由や情報が十分か
- 構成:語と文が論理的につながり、流れが分かりやすいか
- 語彙:適切で幅のある語を使えているか
- 文法:正しい文構造を使えているか
悪い例
質問に直接答えず関係のない話を続ける/同じ単語を何度も繰り返す/理由を書かずに意見だけで終わる
良い例
冒頭で立場を明示しつなぎ語で理由をつなぐ/同義語で言い換える/意見・理由・結論を過不足なく入れる
意見論述の「型」|全級で使える4文テンプレ
意見論述は、型を覚えてしまえば最も安定して書ける問題です。基本は「意見→理由1→理由2→結論」の4文構成です。最初に立場を1つ決め、それを支える理由を2つ並べ、最後にもう一度意見を述べて締めます。
下のテンプレの[ ]を自分の言葉に置き換えるだけで、骨組みが完成します。理由のあとに具体例を1つ足すと、内容点が伸びやすくなります。
I think [自分の意見・立場].
I have two reasons.
First, [理由1]. For example, [具体例].
Second, [理由2].
For these reasons, I think [意見をもう一度].
「型を使うと構成点が下がるのでは」と心配する人がいますが、逆です。採点の「構成」は、独創性ではなく論理の流れの分かりやすさを見ます。型に沿って書くほど、つなぎ語と段落の流れが整い、構成点はむしろ取りやすくなります。

級別の書き方と使える表現
同じ意見論述でも、級が上がるほど語数と求められる具体性が増します。級ごとに、短く終わってしまうNG例と、理由づけのあるOK例を並べました。
3級|まず「理由を1つ」足す
3級の意見論述は25〜35語と短く、質問に答えて理由を1つ書ければ十分です。Eメールでは、相手の質問2つに必ず答えるのがポイントです。
NG回答
I like summer.
高スコア回答
I like summer better. This is because I can swim in the sea with my family.
準2級|理由を2つ、つなぎ語で並べる
準2級の意見論述は50〜60語です。理由を2つ、First / Second で並べると語数と構成が安定します。Eメールは40〜50語で、話題について自分から質問を1つ加えると評価が上がります。
NG回答
Yes, I think so. Club activities are good.
高スコア回答
Yes, I think students should join club activities. First, they can make new friends. Second, they can learn teamwork.
2級|理由に「具体例」で厚みを出す
2級の意見論述は80〜100語です。理由を2つ挙げ、それぞれに具体例や説明を1〜2文加えて厚みを出します。抽象的な理由だけで終わらせないのがコツです。
NG回答
Yes. Smartphones are useful for studying.
高スコア回答
I agree that smartphones are good for studying. For example, students can watch lessons online anytime. In addition, they can look up new words quickly while reading.
準1級|POINTSを使い、抽象度を上げる
準1級の意見論述は120〜150語で、与えられた4つのPOINTS(観点)のうち2つを選んで理由に使います。社会的・抽象的なトピックが多く、一般論として論じる視点が求められます。
NG回答
I agree. Cars are bad for the environment.
高スコア回答
I agree that people should reduce car use. One reason is the environment, because cars produce greenhouse gases. Another is public health, as less traffic means cleaner air and fewer accidents.
要約問題の解き方|2級・準1級の新設に対応
要約は2024年度に新設された問題で、2級・準1級・1級で出ます。与えられた英文の要点だけを、自分の言葉でまとめるのがルールです。手順は次のとおりです。
- 各段落から最も重要な1文(要点)を見つける
- その要点を、本文とは違う語・表現で言い換える
- However / As a result などのつなぎ語で要点同士をつなぐ
- 指定された語数の範囲に収める
最大の差がつくのは言い換え(パラフレーズ)です。本文の名詞を同義語にする、動詞を別の言い方にする、長い文を2つに分ける——この3つで、コピペから抜け出せます。本文の文をそのまま書き写すと、語彙と構成の観点で減点されます。
また、要約は中立が原則です。自分の意見や具体例、本文にない情報は加えません。2025年度から語数が「指示」に変わったため、2級なら45〜55語、準1級なら60〜70語の範囲を外さないよう、書き終えたら必ず語数を数えましょう。
そのまま使える定型表現リスト
級をまたいで使える表現を、機能別にまとめました。丸暗記して、本番で迷わず出せる状態にしておきましょう。
| 機能 | 使える表現 |
|---|---|
| 立場を示す | I think (that) ... / In my opinion, ... / I agree (disagree) with the idea that ... |
| 理由を挙げる | First, ... / Second, ... / One reason is that ... / This is because ... |
| 例を出す | For example, ... / For instance, ... / such as ... |
| 譲歩する | It is true that ..., but ... / Although ..., ... |
| 結論をまとめる | For these reasons, ... / In conclusion, ... / That is why I think ... |
| 要約でつなぐ | According to the passage, ... / However, ... / As a result, ... / On the other hand, ... |
ただし、同じ表現ばかり繰り返すと語彙の観点で評価が伸びません。理由の接続も First / Second に頼りきらず、One reason / Another reason のように言い換えを混ぜると、語彙の幅をアピールできます。
よくある失点と当日の時間配分
得点を落とす原因は、毎回似ています。先に知っておけば、本番で避けられます。
- 語数オーバー・不足:特に要約は2025年度から範囲が「指示」。書いたら必ず数える
- 和製英語・ローマ字:通じない語は語彙・文法で減点。知らない語は知っている語で言い換える
- 質問に答えていない:意見論述で立場がずれる、Eメールで質問に答え忘れると内容点が大きく下がる
- 言い換えゼロの要約:本文のコピペは語彙・構成で減点される
特に「質問に答えていない」は致命的です。どれだけ英語が正確でも、聞かれたことに答えていなければ内容点は伸びません。書き始める前に、設問が何を求めているかを一度日本語で確認する習慣をつけましょう。
時間配分は「読む・考える→書く→見直す」の順で組みます。要約や意見論述では、最初の数分でメモ(立場・理由・要点)を作り、いきなり書き出さないのが安定のコツです。最後の2〜3分は、語数・スペル・三単現のsなど、減点されやすい点の見直しに使います。

独学での練習法(添削・AI活用)
ライティングは、書きっぱなしでは伸びません。「書く→添削で間違いを知る→直してもう一度書く」のループを回すことが、独学で最も効きます。
添削は、3つの方法を組み合わせると安定します。1つ目は学校や塾の先生に見てもらう方法、2つ目は参考書の模範解答と自分の答えを比べる方法、3つ目はAIに添削させる方法です。
AI添削は、書いた英文を貼り付けて「直した箇所・直した理由・より自然な表現」を聞くと、その場でフィードバックが返ってきます。次のようなプロンプトが使えます。
次の英検ライティングを添削してください。①直した箇所、②直した理由、③より自然な表現、の順で説明してください。
英文:[ここに自分の英作文]
ただし、AIの直しを写すだけでは身につきません。直された理由を理解し、同じミスをしない——その確認まで含めて1セットです。
独学で伸びる人は、毎回同じ型で書いています。1つのトピックにつき、まず日本語で「立場・理由2つ・結論」をメモし、それを英語に直すと、構成が崩れません。表現は、同じ意味を3〜4通りで言えるよう言い換えのストックを増やすと、語彙の幅が自然に出ます。そして段落の頭は必ずつなぎ語で始める——この3つの癖だけで、内容・構成・語彙の3観点がまとめて底上げされます。
関連記事で、語彙の増やし方とスピーキングへの応用も確認しておきましょう。
ライティングの型が固まったら、二次試験(面接)の対策も級別に進めましょう。英検3級の面接・英検2級の面接・英検準1級の面接で、よく出る質問と答え方を確認できます。
- 英検ライティングは2024年度から2題構成。3級・準2級は「Eメール+意見論述」、2級〜1級は「要約+意見論述」。
- 採点は内容・構成・語彙・文法の4観点。意見論述・要約は16点、Eメール(3級・準2級)は構成を除く3観点12点。
- 意見論述は「意見→理由1→理由2→結論」の型で安定。型は構成点を下げず、むしろ上げます。
- 要約は自分の言葉で言い換え、意見・具体例は入れない。2025年度から語数は「指示」なので範囲を厳守する。
- 伸ばす近道は「書く→添削→書き直す」の反復。AI添削で即フィードバックを回しましょう。








