- 英語資格を取りたいけれど、種類が多すぎてどれを選べばいいか分からない
- 就活や転職で評価されるのは結局どの資格なのか知りたい
- 留学を考えていて、TOEFLとIELTSのどちらを受けるべきか迷っている
この記事では、主要な英語資格を一覧で比較し、あなたの目的に合った1つを選べるように整理します。難易度・スコア形式・費用・有効期限まで早見表でまとめ、就活・転職・昇進・留学のシーン別に「これを取ればいい」という答えも示します。
最初にお伝えすると、英語資格に絶対的な優劣はありません。大切なのは、目的に合っているかどうかです。
- 英語資格は優劣ではなく「目的への適合」で選ぶ
- 国内の就活・転職・昇進 → TOEIC L&R が最も広く通用する
- 海外留学 → TOEFL iBT・IELTS の2択(英検・TOEICは原則として出願に使えない)
- 4技能(聞く・読む・話す・書く)を証明したい → 英検・IELTS・TEAP
- 取得前に必ず「相手(企業・大学)が、どの試験で何点を求めるか」を確認する
結論:英語資格は「目的」で選ぶ(資格に優劣はない)
英語資格を選ぶときに多くの人がつまずくのは、「一番すごい資格はどれか」という発想です。しかし、英語資格に順位はありません。
TOEICは国内ビジネスの場面で強く、TOEFLは北米の大学が求め、IELTSは英・豪・加で広く通用します。それぞれ測っているものも、評価する相手も違うからです。
だからこそ、選ぶ順番は「資格 → 目的」ではなく「目的 → 資格」が正解です。あなたが英語資格を使う場面(就活・転職・昇進・留学)を先に決めれば、候補は自然に2〜3個まで絞れます。
そのうえで欠かせないのが、提出先の確認です。同じ留学でも大学によって要求スコアは違い、企業の昇進要件もTOEIC何点と具体的に決まっています。「相手が何を求めるか」を先に調べると、ムダな受験を避けられます。
主要な英語資格の一覧と難易度比較【早見表】
まずは全体像をつかみましょう。資格名だけ覚えても選べないので、比べるための「軸」から押さえます。
選ぶ前に見る5つの軸
英語資格を比較するときは、次の5点を見ると違いが立体的に分かります。
- 用途:国内ビジネス向きか、海外アカデミック向きか
- 難易度(CEFR):国際指標CEFR(A1〜C2)でどの位置か
- スコア形式:点数式か、級か、バンドか
- 有効期限:提出に使える期間(多くは2年が目安)
- 費用:受験料の負担(高頻度で変わるので最新確認が前提)
難易度の物差しには、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)を使います。CEFRはA1(初級)からC2(最上級)までの6段階で言語力を示す国際指標で、定義は策定元の欧州評議会(Council of Europe)公式ページで確認できます。各資格はそれぞれCEFRとの対応を公表しているので、尺度の違う試験どうしを並べて比べられます。
主要資格の比較早見表
主要な英語資格を、上の5軸で一覧にしました。数値はあくまで目安です。
| 資格名 | 主な用途 | スコア形式 | 難易度(CEFR) | 4技能か | 有効期限 | 受験料の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| TOEIC L&R | 国内就活・転職・昇進 | 10〜990点 | A1〜C1 | 2技能(聞く・読む) | 公式な期限なし※ | 7,810円 |
| TOEIC S&W | 話す・書く力の証明 | 各0〜200点 | A1〜C1 | 2技能(話す・書く) | 公式な期限なし※ | 約10,450円※ |
| TOEFL iBT | 海外留学(主に北米) | バンド1〜6(0〜120併記) | A1〜C1 | 4技能 | 2年 | 約US$245※ |
| IELTS | 海外留学・移住(英・豪・加ほか) | 1.0〜9.0バンド | A1〜C2 | 4技能 | 2年 | 約25,000〜29,000円※ |
| 英検 | 国内・大学入試・4技能証明 | 級+英検CSEスコア | A1〜C1(級により) | 4技能(級により) | 公式な期限なし(出願は2年以内が一般的)※ | 級により変動※ |
| TEAP | 大学入試(4技能) | 技能別スコア | A2〜B2 | 4技能 | 2年 | 約15,000円※ |
| GTEC | 高校・大学入試 | トータルスコア | A1〜C1 | 4技能 | — | 学校一括が中心※ |
| ケンブリッジ英語検定 | 留学・キャリア(国際) | 合否+CEFRレベル | A1〜C2 | 4技能 | 生涯有効 | レベルにより変動※ |
| Linguaskill | 企業の採用・研修 | CEFRスコア | A1〜C1+ | モジュール選択式 | — | 企業契約が中心※ |
| 国連英検 | 国際時事・教養 | 級 | A2〜C2(級により) | 読む・書く・面接中心 | 公式な期限なし※ | 級により変動※ |
※受験料・有効期限は変動します。出願や提出に使う場合は、必ず公開時点の最新情報を各公式サイトで確認してください。

表だけだと位置関係がつかみにくいので、上の図で「用途(国内ビジネス⇄海外アカデミック)×難易度(CEFR)」の2軸に各資格を配置しました。自分が目指す方向に近い資格から検討すると迷いません。
各資格の特徴と「どんな人向きか」
ここからは、主要な英語資格を1つずつ見ていきます。それぞれ「どんな人に向くか」を最後に添えるので、自分に当てはまるものを探してください。
TOEIC L&R / S&W
TOEIC L&R(Listening & Reading)は、日本の就活・転職・昇進で最も広く使われる英語資格です。10〜990点のスコア式で、ビジネスや日常の場面の英語を測ります。受験料は認定証ありで7,810円、なしで7,700円です(IIBC)。
聞く・読むの2技能のみですが、話す・書く力を示したいときはTOEIC S&W(Speaking & Writing)を別に受けられます。採用や昇進で「TOEIC◯点以上」と指定されることが多く、まず外せない資格です。
具体的なスコア帯の目安はTOEICのスコアレベルで確認できます。
実際に難易度を体感した例として、私自身の経験を紹介します。
TOEIC 980 / TOEFL iBT 106 / IELTS 7.5(CEFR C1)/ 海外MBA合格
向いている人:国内で就職・転職・昇進を考えていて、まず1つ取るならこれという人。
TOEFL iBT(2026年から新形式)
TOEFL iBTは、主に北米の大学・大学院への留学で求められる4技能テストです。リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングを1回で測り、有効期限は2年です(ETS Japan)。
注目すべき変更点として、TOEFL iBTは2026年1月から新形式になりました。スコアは従来の0〜120点に加え、1〜6のバンドが主スコアとして併記されるようになっています(ETS Japan)。出願で求められる基準も、この新スケールで提示されるケースが増えていくと考えられます。
新形式では試験時間が約2時間に短縮され、リーディングとリスニングは前半の出来で後半の難易度が変わるアダプティブ方式になりました。1〜6のバンドはCEFR(国際的な語学力の指標)に対応しており、点数だけでなく「どのレベルで何ができるか」で読み取れるのが新しい点です。
スピーキングはPCに向かって録音し、準備時間がほとんどない即答形式です。日本人学習者がつまずきやすいので、形式に早く慣れておくと有利になります。
向いている人:北米(アメリカ・カナダ)の大学・大学院を目指す人。
IELTS
IELTSは、イギリス・オーストラリア・カナダを中心に、世界中の大学・移住申請で広く使われる4技能テストです。スコアは1.0〜9.0のバンドで示され、有効期限は2年が一般的です。
アカデミック・モジュールは大学出願向け、ジェネラル・トレーニング・モジュールは移住・就労向けと、目的に応じて選べるのが特徴です。スピーキングは試験官との対面(または同等の)面接形式で、TOEFLのPC録音とは雰囲気が大きく違います。
スコアは0.5刻みで、4技能それぞれと総合(Overall)にバンドが付きます。IELTSのバンドもCEFRに対応するため、TOEFLとはCEFRを橋渡しにして大まかに比較できます。
TOEFLとのスコア対応を知りたい場合は、CEFRを橋渡しにした目安をこちらの記事や下のカードで確認できます。
向いている人:イギリス・オーストラリア・カナダ方面の留学や、海外移住を視野に入れる人。
英検(2026年度から全10級へ)
英検(実用英語技能検定)は、日本でなじみの深い4技能テストです。「級」で実力の段階が分かりやすく、上位級では英検CSEスコアも併記されます。大学入試や一部の採用で評価され、国内での認知度はトップクラスです。
鮮度の高いトピックとして、英検は2026年度第3回(2027年1月実施)から6級・7級を新設し、全10級に拡張されます(日本英語検定協会の速報 eiken.or.jp・2025年11月27日)。これまでより下のレベルから挑戦でき、学習の入り口が広がる形です。
ライティングの対策ポイントは英検ライティングで詳しく解説しています。
英検の使いどころについて、講師の視点で補足します。
英検は「級」で到達度が見えるので、学習の最初のマイルストーンとして級を1つずつ上げていく使い方に向いています。指導の現場でも、まず3級・準2級で土台を固め、準1級・1級で大学入試や採用での評価を狙う流れをよく見ます。ただし海外大学への出願では英検単独を受け付けない場合が多いので、留学が目的なら早めにTOEFL・IELTSへ切り替えるのが現実的です。
向いている人:国内の大学入試・4技能の証明・段階的な目標設定をしたい人。
TEAP
TEAP(Test of English for Academic Purposes)は、上智大学と日本英語検定協会が共同開発した、大学入試での活用を主目的とする4技能テストです。アカデミックな場面の英語に絞られているのが特徴で、技能別にスコアが出ます。
採用している大学の入試で使えると、その後の英語学習の見通しも立てやすくなります。受験前に志望校がTEAPに対応しているかを確認しましょう。
向いている人:TEAP利用方式のある大学を志望する高校生・受験生。
GTEC
GTEC(Global Test of English Communication)は、高校や中学で団体受験されることが多い4技能テストです。トータルスコアで結果が出て、大学入試の出願に使える方式もあります。
学校単位で受けるケースが中心なので、個人で受けるよりも在学中の機会を活かすのが効率的です。
向いている人:在学中の機会を使って4技能スコアを積み上げたい中高生。
ケンブリッジ英語検定
ケンブリッジ英語検定(Cambridge English Qualifications)は、ケンブリッジ大学が開発した国際的に評価される資格です。A2 Key/B1 Preliminary/B2 First/C1 Advanced/C2 Proficiencyなど、CEFRレベルごとに試験が分かれています。
一度合格すると基本的に生涯有効とされる点も特徴です。留学や海外での就労を視野に、国際的に通じる資格を持ちたい人に向きます。
向いている人:国際的に通用し、有効期限を気にせず使える資格を持ちたい人。
Linguaskill(旧BULATS後継)
Linguaskillは、ケンブリッジが提供するオンライン受験型のテストで、かつてのBULATSの後継にあたります。AIによる採点で結果が早く出て、企業の採用・研修や、大学のクラス分けなどで使われます。
モジュールを選んで受けられる柔軟さがあり、実務に近い英語力を効率よく測れるのが強みです。企業契約で受けるケースが多い資格です。
向いている人:実務寄りの英語力を、オンラインで素早く測りたい社会人・企業。
国連英検
国連英検(国際連合公用語英語検定試験)は、国際時事や教養を重視した独自色の強い資格です。級で結果が出て、上位級では国際問題への理解も問われます。
英語そのものの運用力に加え、世界の動きへの関心を示せるのが特徴です。国際機関やグローバルな分野に関心がある人に向きます。
向いている人:英語力に加えて国際教養もアピールしたい人。
目的別おすすめ:あなたが取るべき英語資格はこれ
ここまでの内容を、よくある4つのシーンに落とし込みます。「結論の資格+目安スコア+理由+避けたいNG」の形でまとめました。
就活(新卒)なら:TOEIC L&R 600〜730
新卒の就活では、TOEIC L&Rで600〜730点を目安にするのが現実的です。多くの企業がエントリーシートでTOEICスコアを見るため、最も「伝わる」資格だからです。外資系や英語を多用する職種を狙うなら、800点台が一つの目標になります。
避けたいNG:いきなりTOEFLやIELTSに挑むこと。これらは留学向けで難易度も高く、新卒就活にはオーバースペックになりがちです。まずはTOEICで基準点を確保しましょう。
目標点の手応えはTOEICのスコアレベルで確認できます。
転職なら:TOEIC 800+、実務英語ならIELTS/Linguaskill
日系企業における転職では、TOEIC L&Rで800点以上あると、英語力を武器にしやすくなります。即戦力性を見られるため、新卒より高めの基準が求められる傾向があるからです。多くの企業はTOEICを参考としています。
実務で英語を使うポジション(海外取引・グローバルチームなど)を狙うなら、4技能を示せるIELTSや、実務寄りのLinguaskillが効くこともあります。求人票が求める英語の中身に合わせて選びましょう。
避けたいNG:TOEIC L&Rの点数だけで「話せる」と判断されると期待値がずれます。話す・書くが問われる職種では、TOEIC S&Wやその他4技能資格で運用力も示すのが安全です。
昇進・社内評価なら:会社が指定する試験(多くはTOEIC L&R)
昇進や社内評価では、会社が指定する試験・スコアに合わせるのが鉄則です。多くの企業がTOEIC L&Rを基準に採用しており、「昇進要件はTOEIC◯点」と明文化されているケースが目立ちます。
まずは人事制度や社内規定を確認し、求められる点数を逆算して対策します。自己流で別の資格を取っても、社内基準に合わなければ評価につながりません。
避けたいNG:会社がTOEICを指定しているのに、英検やTOEFLを独自に取ること。評価対象でなければ労力が報われにくくなります。
海外留学なら:TOEFL iBT・IELTSの2択
海外留学では、TOEFL iBTかIELTSの2択です。大学・大学院の出願で受け付けられるのが、基本的にこの2つだからです。英検やTOEICは原則として出願に使えない点に注意してください。
ざっくりした地域の目安は、アメリカ・カナダ方面はTOEFL寄り、イギリス・オーストラリア・カナダ方面はIELTS寄りです。ただし大学によって扱いは違うので、志望校が求める試験とスコアを必ず先に確認します。
TOEIC 980 / TOEFL iBT 106 / IELTS 7.5(CEFR C1)/ 海外MBA合格
出願までの手続きの流れは、次のカードが参考になります。
避けたいNG:英検やTOEICだけ取って留学準備を進めること。出願段階で使えず、TOEFL/IELTSを取り直すことになりがちです。
失敗しない選び方フローチャート(YES/NOで分かる)
「結局どれを受ければいいの?」という人のために、YES/NOで進める選び方を図にまとめました。

考え方の骨子はシンプルです。
- 海外留学が目的か? → YESなら、TOEFL iBT(北米寄り)かIELTS(英・豪・加寄り)から志望校の指定に合わせて決定。
- NOなら、国内の就活・転職・昇進が目的か? → YESなら、まずTOEIC L&R(会社・求人の指定があればそれに合わせる)。
- 4技能をバランスよく証明したいか/大学入試で使うか? → YESなら、英検・IELTS・TEAPが候補。
- どの場合も最後に「提出先が求めるスコア」を確認してから受験する。
迷ったら、自分の目的を1つに決め、上から順にYES/NOで答えてみてください。候補は2〜3個まで自然に絞れます。
よくある質問(FAQ)
英語資格を選ぶときに、よく聞かれる疑問をまとめました。
英語資格は何点から履歴書に書けますか?回答例を見る回答例を閉じる
明確な基準はありませんが、TOEIC L&Rなら一般的に600点台から書く人が増え、英語をアピールするなら730点以上が一つの目安です。低めのスコアをあえて書くと逆効果になることもあるため、応募先が求めるレベルと照らして判断しましょう。英検なら2級以上が履歴書で見られることが多いです。
複数の英語資格を取る意味はありますか?回答例を見る回答例を閉じる
目的が分かれている場合は意味があります。たとえば国内就職用にTOEIC、留学用にTOEFLというように、相手が求める試験が違うなら両方必要です。一方で、同じ目的のために似た資格を重ねて取るのは効率が良くありません。まず目的を決め、それに合う1つを仕上げるのが基本です。
英語資格に有効期限はありますか?回答例を見る回答例を閉じる
資格によります。TOEFL iBTとIELTSは2年、TOEIC L&Rには公式な有効期限がありません(ただし提出先が2年以内を求めることが多いです)。ケンブリッジ英語検定のように生涯有効とされるものもあります。出願や提出に使うときは、必ず最新の要件を提出先と各公式サイトで確認してください。
一番コスパよく取れる英語資格はどれですか?回答例を見る回答例を閉じる
国内利用が目的なら、認知度と受験料のバランスでTOEIC L&Rが選ばれやすいです。受験料は変動するため、複数回受ける前提なら1回あたりの費用と、自分が必要とするスコア帯を見比べて決めましょう。留学用のTOEFL/IELTSは費用が高めなので、受ける回数を絞れるよう準備を整えてから臨むのが結果的に安く済みます。
TOEICと英検、どちらを取るべきですか?回答例を見る回答例を閉じる
ビジネスや就活・昇進など社会人の場面で広く通用するのはTOEIC L&Rです。一方、4技能をバランスよく証明したい、大学入試で使いたいという場合は英検が向きます。両者は測る範囲も評価する相手も違うので、目的で選ぶのが正解です。換算や具体的な違いを詳しく知りたい場合は、下の記事を参照してください。
英検とTOEFLの違いや、CEFRを軸にしたスコアの目安は、次の記事で詳しく解説しています。
英語資格は、たくさんの中から「一番すごい1つ」を探すものではありません。あなたの目的に合った1つを選び、求められるスコアまで仕上げることが、最短のゴールです。まずは目的を1つに決めることから始めてみてください。









